UNECE R10の型式認証手順の概要

自動車(車両)、そのサブアセンブリ、またはコンポーネントなどを公道で、車両にて使用するのためは法的な適用要件を満たすことが必須です。
即ち、車両の登録、および販売の前に適切な型式承認を取得する必要があります。
車両で使用するコンポーネントやセパレート・テクニカル・ユニット(STU)のEMC要求として、国際規格UNECE R10が発行されています。
備考)
・UNECE:国際連合欧州経済委員会
・UNECE R10 は、路上での使用が意図された車両、及びそのような車両への取り付けが意図されたたコンポーネントやセパレート・テクニカル・ユニット(STU) の EMC に関する規則です。
コンポーネントとセパレート・テクニカル・ユニッ
ト (STU) は、いずれも車両への取り付けが意図さ
れた独立したユニットのことです。
・電子サブアセンブリ(ESA)は「コンポーネント」と「個別技術ユニット」(STU)を含む総称です。
・型式承認は、2014年11月の2004/104 / EC(2009/19 / EC改正)よりR10を遵守するルートになっています。
したがって、EMCタイプ承認マークは「e」マークから「E」マークに代っています。


1.型式承認手順の概要
UNECE規則の下ので、型式承認の手順本質的にEC指令と同じであり、以下のステップになります。

(1)認証機関の選択とその技術的サービス
EU加盟国は現在、28カ国である。これらの加盟国のいずれかで認証機関を選択する。
技術的サービスは、その認証機関と関連のある評価部門であり、認証機関に代わって型式認証の技術的側面を処理することを委任された第三者(試験所)です。
(2)製造適合性(CoP)の登録
認可機関は、すべての車両、電子サブアセンブリ(ESA)を生産する製造者が承認されたタイプの製品を生産する能力を実証することができることを承認します。そして製造業者に対してUNECEタイプ承認が与えます。
・製造業者はISO 9001などの品質管理システムが必須であり、承認機関自身による監査が行われます。
・品質管理システム等の監査は、証明書に記載される製造業者および各組立工場で行われます。
・この監査などの関連費用を製造業者が負担しなければなりません。
・製造手順の適合についての詳細は「国連規制-改訂3」のスケジュール1によります。
(3)情報文書の作成(付属書 2A / 2B)
・技術サービスと最悪ケース等に同意する前に、製造業者は情報文書を作成が必要です。
・車両の場合、これはUNECE R10.05の附属書2Aで、コンポーネントまたはSTUの場合は付属書2Bです。
(4)技術的サービスとの最悪試験条件と各種選択に合意
(5)EMC試験の実行
認定機関に代わって ECE R10 のもとでの型式
認定のための評価を実施する権限を与えられた機関
は、テクニカル・サービスと呼ばれる。
(6)型式認証の申請
試験が正常に完了すると、技術的サービスは認証機関に申請します。提出書類は承認機関によってレビューされ、問題がない場合は、認証機関は特定番号のある型式証明書を発行します。
(7)マーキング要求
R10.05の5項に、コンポーネント/ STUに適用されるEマークのフォーマットが示されており、例は附属書1に示されている。
(8)認証後管理
メーカーは、生産された製品がEMC要求に適合することを確実にする体制を構築し、管理しなければならない。


2.関連URL
・1958年合意、改訂3(2017年9月14日)Schedule 1 Conformity of production procedures
欧州共同体全車種承認指令(2017/1347 / EUのすべての改正を含む連結版)
UNECE規制10、改訂5、改正1(2016年10月8日)
文献UNECE規制10、改訂5(2014年10月9日)

EMC認定試験所の公平性リスク分析!

試験所認定規格であるIEC 17025:2017の新版で追加されたリスクベースのアプローチについて一つの例を示します。
改訂内容については次のURLを参照下さい。・試験所認定規格:ISO/IEC 17025の改訂!


(1)不公平につてのリスクを洗い出す。下①~⑬は予想されるシナリオ。
① コンサルティングの提供(例えば、EMIトラブルシューティング)
② 試験所サービスの拡大、及び試験の運営
③ 技術訓練の提供、試験の運営
④ 特定の雇用期間内における試験の実施
⑤ 顧客と試験エンジニアとの親密性
⑥ 有利なテスト結果を要求する財政的圧力
⑦ 有利なテスト結果を要求するその他の圧力
⑧ 試験過程において直接的または間接的に関与する団体または個人との関係
⑨ テストデータの機密性
⑩ 顧客が特定の試験エンジニアを要求する
⑪ テスト記録の改ざん
⑫ 試験所の他の部門の関与によるリスク
⑬ 検査プロセスにおける要員への知覚される圧力/ストレス


(2)リスクの頻度、重大性、分類を設定する。
下表①、②、③を設定する。
①リスクの頻度

②リスクの重大性

③リスクの分類


(3)上記(1)の各種リスク要素を検討して、(2)の①②③により、見積りを行う。


・リスクシナリオの例(コンサルティングの提供)


新ISO/IEC 17025:2017の発行の動画

CEマーク適合の簡易チェック!

 始めて、海外へ電気・電子製品を輸出する場合、欧米はもちろん、多くの国でIEC規格に基ずく規格の適合が必須です。
まずは、その製品が規格に容易に
適合できるものなのか、いないかを判断することが大切です。
 この簡易チェックを行うことで、かなりの設計変更を減らすことで、期間の短縮、とCEマーク費用の抑制ができます。
特に主なポイントは以下です。


1.筐体関係
・開口部の大きさ
・筐体アースの仕方、マーク表示
・表示(定格、LED表示色等、警告表示)
2.部品の規格適合
・一次側部品(コネクタ、スィッチ等)
・保護機能部品(ユーズ)
・モータ(ファン含む)
・電池(リチウム電池等)
3.プラスチック部品の難燃性
4.ノイズ部品の使用
など


*上記の簡易チェックも当所では行っております。お問合せ下さい。

海外展示会で、製品販売に成功する方法!

欧州展示会では、来場者の目的が、日本の来場者(情報収集のため)とは異っています。
海外展示会の来場者の目的は「製品の購入即ち、商談(即購入)」に来ています。


 欧州展示会では、「この製品はCEマークに対応していますか」との問合せを、必ず受けます。
*その時に、CEマークに対応していなければ、商談は無くなる可能性が大になります。


*日本の場合は、展示会などでの商談の見込みが付いてから、製品づくりを開始します。一方、海外の輸入業者等は、その製品が気に入れば、その場で購入を決定したいと考えています。


*上記のごとく、海外展示会に出展を計画している場合は、各国の法令、CEマーク、UL等の規格適合を取得をすることが必須になっています。


お問合せ

CEマーキング取得費用を削減するためには!

欧州に電気・電子機器を輸出するには、CEマーキングが必須です。


その際に、欧州認証機関を関与させた場合には、「相当な取得費用(数百万以上)が掛かっている」のが実情のようです。
又、設計変更や再試験のために、開発期間の延長を発生させています。
 この取得費用を削減するため、下のような「自己検証方法の習得」、及び「規格の知見向上(ノウハウ蓄積)」を
行う方法があります。


1.「自社検証方法」を利用する
・自己検証(モジュールA)でよい指令として、LVD、EMC指令(下記①,②)等があります。
これらの指令(法律)では自社検証が原則として規定され、認められています。
・相当な試験・認証費が掛かる欧州認定機関を関与させないで、自社の検証により、試験・検査を実施することにより、CEマーキング取得費用を大幅に削減できます。
①自社検証でよい(欧州認証機関関与不要)指令
  ・低電圧指令(LVD)
  ・EMC指令(電磁環境適合性)
  ・無線機器指令(RED)
  ・RoHS指令(特定有害物質の使用制限) 等
②指令の規定の対象範囲外では、自己検証可能な指令
  ・機械指令(MD):付属書Ⅳ以外は可能
  ・圧力機器指令(PED):原則最高許容圧力0.5bar以下は適用外、又、PEDで危険分析カテゴリⅠに該当し、他の指令(機械指令・リフト指令、低電圧指令、ガス器具指令、防爆指令等)が適用されているもの。


2.規格の理解向上(ノウハウ取得)
これは、規格の要求内容を理解して、対象機器毎の「規格適合の設計ノウハウを蓄積」することにより、スムーズ(1回)に試験で適合させる。

・多くの企業では、EMC&製品安全(LVD)の知見がないため、規格値の不適合による設計変更や、これによる再試験が何回も発生しています。
・この状況を抜け出すためには、対象製品に該当規格に適合する設計ノウハウを習得する必要があります。
・設計ノウハウを蓄積すれば、相当な試験費用や設計変更費用、開発期間の削減が可能になります。


3.自己検証を行うためには、どうすればよいのか
最小限、以下(1)、(2)、(3)を実施する必要があります。
(1)規格の理解向上
 ・規格内容について理解するためには、自社内又は社外の専門家から、学ぶことになります。
a)EMCの場合:試験項目と、それに対処するEMC対策の検討が大切になります。
  
b)LVDの場合:各種リスクに対処するための保護要求事項の理解により、設計に適用します。
(2)試験方法の習得
試験方法は、試験の立会時に試験方法を取得する、又は、一番よいのは、社内外の試験経験者から学ぶことです。
a)EMCの場合:各試験項目毎の試験構成、配置、動作条件を決定することです。
b)LVDの場合:各試験項目毎の試験構成、配置、動作条件を決定することです。
(3)試験機器の整備:導入・レンタル
試験機器を購入するか、レンタルする。又は公設試などで、機器を借りて試験する。そして、試験レポートのIEC雛形を購入する。
*尚、10A以下の電気試験器であれば、数百万で購入が可能です。
・そして、前記で学んだ試験法を実践しなければなりません。


4.自社検証の効果とデメリット
(1)色々な効果
 下の①の費用削減のみでなく、その他の大きな効果(②~⑤)が期待できる
①第一の効果は認証・試験費の大幅削減です。
②少量生産品の場合は特に有効です。
(認証機関の費用は少量生産品でも、ほとのど変わらない。)
③開発期間の厳守
開発から出荷までのスケジュールが試験所の都合ではなく、自社主体で立てられて、開発期間を厳守できる。(試験所の空き状況に左右されない)

④自社の設計、品質管理部門の規格知識レベルが大幅に向上する。
(認証試験機関に依存の場合は、ただ単に規格適合した結果のみで、大切などこが重要な点であったかが不明なため、次の設計に生かすことができない。)
⑤次機種などへの設計ノウハウが蓄積されため、海外展開が容易になる。
*上記のごとく、その製品での、費用削減効果だけでなく、今後の製品開発に生かされて、製品開発での競争力向上が図れます。

(2)デメリット(尚、自社の研修、知見向上により、回避できます。)
・第三者によるエビデンスでない。即ち、適合性の信頼がないと相手から受け取られる場合がある。
・試験者の試験に対する規格の理解度、や経験度により、判定が変わってしまう可能性がある。など
#但し、営業的に認証を要する場合においても、自社検証できる能力をようしていれば、スムーズの試験をパスすることができるため、必要最小限の費用に抑えることが可能となります。


参考1. 発生コストについて
(1)EU等認定機関利用の認証&試験費用
・EMC試験費:数百万円~(尚。再試験時は更に2~3倍)
・LVD試験費:百万円~(尚、再試験時は更に2~3倍)
・MD(機械):数百万円~(尚、再試験時は更に2~3倍)
(2)CEマーキングの総合費用(概算300万~)
・例えば、計測・制御・実験室用の機器で、必須な指令として、EMC、LVD、RoHs等が必須です。
一般的な認証機関では、それらの総合費用は500万程度掛かっているようです。
・その他に必要な、技術文書作成、取説の翻訳を、外部に依頼すれば、更に100万程度の追加が発生しているようです。
(3)認証管理費、定期工場検査費
 ・毎年100万以上掛かるようです。
(4)自社主体で実施した場合

・EMC試験費:試験項目一部でも自社、もしくはレンタルで対処して、コストを削減します。特に10m電波暗室を利用すると1日当たりの利用料は約30万以上が掛かるので、事前評価を十分に行い、1回でクリアーすることが確実になってから、電波暗室で試験します。
・LVD試験費:基本的に、電気試験設備を持つか、試験機器をレンタル、もしくは公設試験所で行うことにより、数十万で実施可能になります。


参考2. 認定試験機関等が行わない業務内容(メーカが作成しなければならないもの)
(1)EMC、製品安全試験等の不適合時の対策支援
・欧州認定機関(NB)、試験所等は支援しません。これは、認定機関、認定試験所は不適合時のアドバイスは禁止されているから、できないのです。
・したがって、対策ノウハウを保有していないと、どんな対策をを行うのか分からず、開発が遅れ、更に試験費用が増大します。試験所にとって、好都合となります。
(2)適合宣言書(DOC)、技術文書(TD)の作成について
・これらは、メーカが作成することと義務付けられているので、欧州認定機関(NB)、試験所等は作成しません。従って、自社で作成しなければなりません。
・このことを知らずに、これらの文書を作成せずに、出荷しているケースもあるようです。


上記の「費用削減」など、各種規格取得を支援します。
・「ご依頼内容」を「お問合せ」から、ご連絡下さい。