CEマーキングの流れについて解説しますーNo.1!:No.1

*CEマーキングの流れについて解説します。


(1)仕様の確認と決定について


・CEマーキングを取得するためには、下図のような流れで、進めます。
図1.CEマーキングの流れ

図1.CEマーキングの流れ

(1)対象製品の仕様を確認し、決定します。


第一に、EU指令、及び整合規格を選定するために「仕様・環境条件・インターフェイス」を明確にする。

・例えば、低電圧指令(LVD)では、一般に次の仕様・環境条件の項目を確認して、特定します。
・装置の概要(何を行うもの)
・意図する使用場所(国、家庭用、産業用)
・どの様なユーザに販売するのか(一般人、専門家等)
・製品のモバイル性(ポータブル/ハンドヘルド/フロアスタンド/固定/ビルトイン)
・動作(連続/短時間/間欠)
・電力入力仕様(電力出力があれば、その出力定格)
・電源入力の接続法(恒久/着脱式コードセット/非着脱式コードセット/電池式)
・保護手段(クラスI(PE接続)/クラスII(絶縁))
・寸法(W x D x H)
・重量(kg)
・温度・湿度
・屋内・屋外使用/湿気場所使用の有無
・IP(IEC 60529)
・過電圧カテゴリ(II / III / IV)
・汚染度
・保護接地のクラス
・単一故障条件
・機器の操作条件
・換気条件
など


*次回は(2)リスクアセスメントについて解説します。

 

CEマーキングにはどの様なEU指令があるのか!

*EUの法律の一つであるEU指令は多くの指令が発効されています。


・EUの法律には指令の他にも規則などがあります。
・規則として有名なのは、医療機器指令(MDD)から格上げされた医療機器規則(MDR)、体外診断用医療機器指令(IVDD)から格上げされた体外診断用医療機器規則があります。


*欧州向け電気・電子機器が遵守しなければならないEU指令(法律)と日本の法律の現状


・欧州域内で販売する電気・電子機器はその機器に該当する全てのEU指令(法律)に遵守しなければなりません。
・尚、その電気・電子機器のカテゴリによって、遵守が必要になる指令あります。

・一方、日本では家電製品など一部の機器(電気用品安全法の指定品目)しか、強制化されていません(産業用は特になし)が、EUではあらゆる電子・電子機器が、EU指令の対象になっています。
・したがって、海外展開する場合に、EMCや電気安全などの規格に適合できていないため、国内販売製品をそのままでは、海外向けに輸出がほとんど困難な状態になっています。



*電気・電子機器でほとのどの機器が遵守しなければならないEU指令


・一般的な電気・電子機器では「低電圧指令(LVD)、EMC指令、RoHS指令、WEEE指令」が該当します。
3.CEマーキングの表示可否
・EU指令にはCEマーキングの表示可否(表1、表2)があります。一つでも、表示要求がある場合はCEマーク表示が必要です。
 表1.CEマーキングの表示を要求している指令
表1.CEマーキングの表示を要求している指令
 表2.CEマーキングの表示を要求しない指令
表2.CEマーキングの表示を要求しない指令


お問合せ.

CEマーキングはニューアプローチ制度から開始!


(1)オールドアプローチ制度時代:CEマーキング制度以前
   ・CE各種指令(法令)内に細部の技術基準を記載する方式だったため、色々なケースで不具合が生じていた。
(2)ニューアプローチ制度:CEマーキング制度発効
・この制度は(1)の方式ではなく、指令は各指令内の大きな範囲、要求事項のみの記述とし、細部の技術基準は別に整合規格として制定した。
(3)NLF(新枠組み)制度:ニューアプローチ制度の見直しの追加制度
・上記(2)ニューアプローチ指令の各指令の見直しを行い、不統一な事項、製造者・輸入者等の義務、及び市場監視の強化などを明確化した。

CEマーキングは継続しています。

CEマーキング取得費用を削減するために何を行うのか!

*欧州に電気・電子機器を輸出するには、CEマーキングが必須です。そのために、「①相当な費用と②時間が掛かっている」のが、現状の模様です。困った


・例えば、第三者認証(NB関与)の場合には、「試験費等で、相当な取得費用(数百万以上)が掛かっている」のが実情のようです。
図. 自社検証と第三者検証の流れ
図. 自社検証と第三者検証の流れ


・特に、国内向けの製品をそのまま、適合させるための試験を実施する場合は、設計変更の発生や再試験、又は技術文書作成のために、コスト増加だけでなく、開発期間が長くなることが発生します。
表.CE対応状況と取得期間&費用
表.CE対応状況と取得期間&費用


*CEマーキング取得の費用を削減するため、「自己検証方法で自己宣言を行う」いいね


・CEマーキングの評価手順を自社主体で行う自己検証(モジュールA)を使用すると、費用を少なくすることができます。
この評価手順を使用できる指令は、LVD(低電圧)、EMC指令、RoHS指令、RED指令などがあります。
これらの指令(法律)では自社検証(モジュールA)が規定されいます。
一方、欧州NBが検査、審査などを行うモジュールB(第三者認証)があります。
・相当な試験・認証費が掛かる欧州認定機関を関与させないで、自社の検証により、試験・検査を実施することにより、CEマーキング取得費用を大幅に削減できます。
①自社検証(モジュールA)
でよい指令
  ・低電圧指令(LVD)
  ・EMC指令(電磁環境適合性)
  ・無線機器指令(RED)
  ・RoHS指令(特定有害物質の使用制限) 等
②指令の対象除外機器として、自己検証の可能な指令
  ・機械指令(MD):付属書Ⅳ以外は可能
  ・圧力機器指令(PED):原則最高許容圧力0.5bar以下は適用外、又、PEDで危険分析カテゴリⅠに該当し、他の指令(機械指令・リフト指令、低電圧指令、ガス器具指令、防爆指令等)が適用されているもの。
表.自己認証と第三者認証(NB関与)の適用可否
表.自己認証と第三者認証(NB関与)の適用可否


 

*自社検証(モジュールA)の効果効果がある


・試験費用削減のみならず、様々な効果があります。
 下の①の「試験費用削減」のみでなく、その他の様々な効果(②~⑤)が期待できる
①認証・試験費の大幅削減です。
②少量生産品の場合は特に有効です。
(第三者機関の費用は少量生産品でも、ほとのど同じ。)
③開発期間の厳守
・開発から出荷までのスケジュールが試験所の都合ではなく、自社主体で立てられて、開発期間を厳守できる。(試験所の空き状況に左右されない)

④自社の設計、品質管理部門の規格知識レベルが大幅に向上する。
(認証試験機関に依存の場合は、ただ単に規格適合した結果のみしか残らないことが多く、大切な点がどこであったかが不明になり、次の設計に生かすことができない。)
⑤次機種などへの設計ノウハウが蓄積されため、海外展開が容易になる。


*結果として、製品での、CEマーキング費用削減効果だけでなく、様々な効果により、今後の製品開発に生かされて、製品開発の競争力向上が図れます。


「お問合せ」先


・CEマーキング(自己認証)をサポートしております。
お気軽に「お問合せ」から、ご連絡下さい

CEマーキングの目的とメーカの義務、及び市場監視と罰則!

*CEマークの目的は何か!


(1)CEマークは、欧州(EU)で販売される製品が「EUの法律・規格に適合している旨」を表示するマークです。?
・「CE」はフランス語の「Conformite Europeenne (英語:European Conformity)」の略
CEマークのロゴ

(2)CEマークの目的
①各国ごとの異なる安全認証手続に煩わされることなく、製品を自由に流通・販売することを可能にすること。
②企業に同じ基準を課すことにより、公平な競争を促すこと。
③製品の消費者、使用者に対して、同じレベルの健康、安全、環境に関する保護をする。
*CE markingサイト.


*メーカが行わなければならない義務は何か。



(1)メーカ等が製品に実施しなければならないこと。:義務

①製品に関係する「各種の指令(法律)を遵守」しなければならない!
②各指令内で指定する「その製品に関係する規格に適合」しなければならない!
③各指令に適合した製品は「各指令が指定したCEマーク・表示等」、適合宣言書(DOC)、技術文書の作成・保管! など
④継続的製品の品質管理(ISO9000)など

(2)製造物責任法:一般製品安全性指令(2001/95/EC)の遵守
・製品が設計上の欠陥によって人体への障害や物損等が生じた場合には、その製品にCEマークが表示されているか否かに関わらず、製造物責任法(PL法)が適用される。


*欧州、各国の当局による市場監視を実施している!


①欧州、各国では管轄当局、労働組合などが市場監視を実施しいぇいる。
②違反行為の内容 :CEマーキングの不正使用 、構造上の明らかな欠陥、適合宣言書、CEマーク&取扱い説明書の不備
③市場監視場所:通関、工場据付、稼動、保安査察、陳列棚、事故、外部通報
④処罰:構造の改善、使用禁止、市場回収、量刑、拘留、起訴、罰金!

*市場監視のサイト(RAPEX:Rapid Alert System for dangerous non-food products


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