マルチメディア機器のイミュニティ規格(EN55035)の試験項目!

1.EN55035:2017の発効
マルチメディア機器のEMC規格は以下のようになっています。
 ・エミッション規格:EN55032
・イミュニティ規格:EN55024、EN55020又はEN55035
上記のエミッション規格(EN55032)は既に、2017年3月から、強制になっています。
又、イミュニティ規格(EN55035)は、本年1月28日に発効されました。2022年7月28日から強制になります。
従って、EN55035の強制日に向けて、移行する必要があります。


2.試験項目と試験レベル
・本規格は、図1の機器の構成をポートに分類して、試験項目が規定されています。尚、詳細は本規格を参照下さい。
(1)ポート
図1.機器のポート例

・試験項目、及び試験レベルは下のようにポート毎に規定されています。これらを列記します。
(1)筐体ポート

(2)アナログ/ディジタルポート(信号&通信)

(3)DC網電源ポート

(4)AC電源ポート


3.性能判定基準: 附属書に記載
・主機能が以下に記載のAnnexの1つに該当する場合、その該当機能のAnnex(附属書)中の詳細な要求事項が優先される。
・主機能がどのAnnexにも該当しない場合は、一般性能判定基準を適用する。
a)機能別判定基準
Annex A: 放送受信機能
Annex B: プリント機能
Annex C: スキャン機能
Annex D: ディスプレイおよびディスプレイ出力機能
Annex E: 楽音生成機能
Annex F: ネットワーク機能
Annex G: 音声出力機能
Annex H: 電話機能
b)一般性能判定基準
・性能判定基準:A
装置はオペレータの介入なしに、意図したとおりに動作を継続すること。装置の意図した使用において、造業者が定めた性能レベルを下回る性能劣化や機能喪失や動作状態の変化は許容されない。
・性能判定基準:B
妨害試験中の性能の劣化は許容される。しかし、試験後に意図しない動作状態や保存データの変化が持続することは許されない。試験後、装置はオペレータの介入なしに、意図したとおりに動作を継続すること。
装置の意図した使用において、製造業者が定めた性能レベルを下回る性能劣化や機能喪失は許容されない。
・性能判定基準:C
機能が自己回復するか、または使用者が製造業者の取扱説明書に従い制御することで回復するならば、機能の喪失は許容される。リブートや再スタートは許容される。
不揮発性メモリに保存、または電池によるバックアップ保護されている情報は、喪失しないこと。


*参考動画
・New Requirements of EN 55032 and EN 55035.

 

製品カテゴリのEMC規格リスト!

*EMC規格は製品カテゴリ毎に、試験法、限度値などが異なっています。
従って、製品ごとに該当するEMC規格を適切に選択する必要があります。
主な製品のEMC規格のリストを下表に示しますので参考にしてください。
・EMC指令の整合規格は本URLの投稿をご覧ください。
CEマーキング関連のサイト(URL)!


・主な製品カテゴリのEMC規格リスト

参考)その他

EMC認定試験所の公平性リスク分析!

試験所認定規格であるIEC 17025:2017の新版で追加されたリスクベースのアプローチについて一つの例を示します。
改訂内容については次のURLを参照下さい。・試験所認定規格:ISO/IEC 17025の改訂!


(1)不公平につてのリスクを洗い出す。下①~⑬は予想されるシナリオ。
① コンサルティングの提供(例えば、EMIトラブルシューティング)
② 試験所サービスの拡大、及び試験の運営
③ 技術訓練の提供、試験の運営
④ 特定の雇用期間内における試験の実施
⑤ 顧客と試験エンジニアとの親密性
⑥ 有利なテスト結果を要求する財政的圧力
⑦ 有利なテスト結果を要求するその他の圧力
⑧ 試験過程において直接的または間接的に関与する団体または個人との関係
⑨ テストデータの機密性
⑩ 顧客が特定の試験エンジニアを要求する
⑪ テスト記録の改ざん
⑫ 試験所の他の部門の関与によるリスク
⑬ 検査プロセスにおける要員への知覚される圧力/ストレス


(2)リスクの頻度、重大性、分類を設定する。
下表①、②、③を設定する。
①リスクの頻度

②リスクの重大性

③リスクの分類


(3)上記(1)の各種リスク要素を検討して、(2)の①②③により、見積りを行う。


・リスクシナリオの例(コンサルティングの提供)


新ISO/IEC 17025:2017の発行の動画

EMC指令の新ガイドを発行!

2018年3月12日付けで、EMC指令(2014/2014/30/EU)のガイドが発行されました。
・欧州向けの電気電子製品のEMC指令適合についての、参考となる情報(文書)ですので、参照することを推奨します。
主なポンイントを列記します。
*4章には適合評価の手順について記載されています。特に下図1(EMC指令の評価の流れ)の流れが参考になります。
*下図2(EMC指令の適用可否フロー図)一般製品、組込み品、及び固定設備の分類、それぞれが実施すべき内容が分かります。
*ダウンロードURL:Guide for the EMCD (2014/30/EU)


 

(1)目次
1 範囲
 1.1 一般
1.2 地理的適用
1.2.1 非EU諸国、国および地域における適用
1.2.2 相互承認協定(MRA)
1.2.3 適合性評価と合意(ACAAs)に関する合意
1.3 市場投入、サービス開始
1.3.1 市場投入
1.3.2 サービス開始
1.3.3 見本市等での機器に関する特別措置
1.4 機器および製品
1.4.1 電気、電子部品のない機器
1.4.2 EMC指令の除外品
1.4.4 本質的に良性の装置
1.4.5 カスタム構築の評価キット
1.4.6 装置または固定設備としての分類
1.5 装置の範囲の定義
1.5.1 完成した装置(アプライアンス)
1.5.2 組み合わせ完成製品
1.5.3 部品・サブアセンブリ
1.5.4 モバイルインストール
1.6 固定設備の適用の定義
1.6.1 固定設備設置
1.6.2 固定設備のための特定の装置
1.7 特定の場合:ジャマー
2 必須要求事項
3 経済事業者の義務
4 装置の適合性評価の手順
4.1 前書き
4.2 リスク分析とリスクアセスメント
4.3 EMC評価
4.3.1 一般概念
4.3.2 ENC整合規格の使用
4.3.3 該当する適用整合規格がない製品のEMC評価
4.4 EMC指令で必要な文書
4.4.1 技術文書
4.4.2 EU適合宣言書
4.5 CEマーキングと情報
4.5.1 CEマーキング
4.5.2 識別情報
4.5.3 トレーサビリティに関する情報
4.5.4 装置の使用に関する情報
4.5.5 住宅地域において必須要件の適合が確保されない場合の情報
5 固定設備
5.1 必須要求事項
5.2 文書
5.3 固定設備の責任者
5.4 所定の固定設備に対する特定の装置の要件
5.4.1 特定の装置に免除条項が使用されている場合の義務
6 EMCDの市場監視
7 通知機関(NB)
7.1 前書き
7.2 外注
7.3 情報交換
7.4 通知機関(NB)間の調整
7.5 NBが提供するサービスに関する苦情
付属書1 全体フローチャート
付属書2 整合規格の使用に関するガイド
附属書3 該当の規格が存在しないか、完全に該当しない場合のEMC評価
付属書4 指令2014/53 / EU、2014/35 / EUおよび2014/30 / EUの適用
付属書5 頭字語および略語
付属書6 組織と委員会


(2) 図1.EMC指令の評価の流れ
対象製品が該当する整合規格が「ある、一部ある、ない」により、評価が下図のように異なります。

・「該当する整合規格がない場合のEMC評価」については4.3.3に記載されています。


(3)文書の作成についての要求
・「作成しなければならないEU適合宣言書と技術文書」について以下の節に記載されています。
- 1.4.1 技術文書
- 1.4.2 EU適合宣言書


(4) 図2.EMC指令の適用可否フロー図(一般製品、組込み品、及び固定設備で実施すべき内容)

情報処理装置のEMI規格:EN 55032の1GHz試験可否!

欧州、EMC指令の情報処理機器のエミッション規格であるEN 55032:2012が2017年3月5日から、強制になっています。


あるメーカ様より、EN 55032の放射エミッション(EMI)について「1GHz以上の試験の可否」についてお問合せがありました。
「1GHz以上試験の可否」はこの機器のクロック、又は信号等の最高周波数が何MHzなのかで、以下の①~⑤のごとく、試験範囲が異なります。
①装置内の最高周波数(Fx) ≦ 108MHzの場合: 30M~1GHzまで
②108MHz<装置内の最高周波数(Fx)≦ 500MHzの場合: 30M~2GHzまで
③500MHz<装置内の最高周波数(Fx)≦ 1GHzの場合: 30M~5GHzまで
④装置内の最高周波数(Fx)> 1GHzの場合: 30M~5×FxGHzまで(最大6MHz)
装置内の最高周波数(Fx)が不明な場合: 30M~6GHzまで


(参考)IT機器のEMC整合規格(2018/3/17時点
①エミッション(EMI):EN 55032:2012
②イミュニティ (EMS):EN 55024:2010
一般商用コンセントから電源を供給されるIT機器ではさらに③、④が該当します。
③高調波エミッション EN 61000-3-2:2014
④ 電圧変動&フリッカ EN 61000-3-3:2013