EMC指令のEMC設計で重要なポイントは何か!

*EMC指令をクリアーするためには、製品の設計段階でノイズ対策を盛り込むことが必須です。
・しかしながら、WEBでは、EMC対策に関するバラバラな情報が多く、まとめたものが少ない。そこで、下にまとめました。


*EMC対策設計の重要なポイントを表に示します。


・EMC対策は下表のように、筐体、構造、回路構成、回路、基板、部品選択など、各部で対策を要します。

表.EMC対策設計のポイント
表.EMC対策設計のポイント


 

マルチメディア機器のエミッション規格(EN55032)の概要と許容値!

*EN55032:2012(CISPR32:2012)は「マルチメディア機器」のエミッション規格です。


・CISPR22(IT機器のエミッション)をベースにCISPR13(放送用受信機と関連機器のエミッション)から特有の箇所を取り込んだ規格になっています。


・欧州EMC指令では、EN55032:2012が2016年8月12日に発効されており、2017年3月5日から強制になっています。


1.EN 55032:2012(CISPR32:2012)の概要


*対象機器は何か
マルチメディア機器とは3.1.23で下のごとく規定されている。
・情報技術機器(3.1.20),オーディオ機器(3.1.6),映像機器(3.1.29),放送受信機器(3.1.7),エンターテイメント照明制御機器(3.1.15),又はその組み合わせである機器
(1)測定方法
CISPR22を基本に、周辺機器を接続し、通常使用状態での、即ち、「システム状態の測定」が要求されています。
(2)CISPR13から、下の測定項目を追加
・放送用受信機の①チューナポート入力電圧測定、および②ビデオ変調出力電圧測定です。
(3)1GHzまでのエミッション測定距離は2パターン
3mと10mの測定を許容値があります。
(4)1G-6GHzのエミッション測定を追加
(5)有線ネットワークポートの伝導妨害測定を追加。
(CISPR22の通信ポートの伝導妨害のこと。)
尚、受信機のチューナポート、及びアンテナポートの伝導妨害測定も要求されている。


2.クラス分け(住宅環境使用、及び、それ以外での使用)

①住宅環境で主に使用することを意図している製品はクラスB。
②それ以外はクラスAになる。


3.複数の測定法が規定されている場合の選択

・そのどれかの測定法で適合すればよいようです。
尚、再試験の場合はその選択した測定で行わなければならない。


4.試験時のモニタ機器の表示内容

・複雑度によって4つのパターン表示が規定されています。


5.EMCテストレポートに記載すべき内容は
・「付属書のF」に参考として記載されています。


6.試験ポートの構成が定義されています。
・下図の様に①~⑨のポートで試験し、許容値が規定されています。
図.試験ポートの構成が定義


7.許容値の値はどこに記載しているのか


・付属書Aの「表」に規定されています。
・許容値は以下です。
①エンクロージャーポート:表A.2,表A.3,表A.4,表A.5,表A.6,表A.7
②AC電源ポート:表A.8,表A.9
③DC電源ポート:要求なし
④有線通信ポート:表A.10,表A.11
⑤信号・制御ポート:要求なし
⑥アンテナポート:表A.10,表A.11
⑦放送受信機チューナポート:表A.12
⑧RFモジュール出力ポート:表A.12
⑨光ファイバーポート:表A.11


8.許容値のまとめ


(1)放射エミッション
①-1.クラスA機器:30-1000MHz
表.①-1.クラスA機器
①-2.クラスA機器:1-6GHz
表.①-2.クラスA機器
②-1.クラスB機器:30-1000MHz
表.②-1.クラスB機器
②-2.クラスB機器:1-6GHz
表.②-2.クラスB機器
③FM受信機
表.③FM受信機
(2)伝導エミッション
①クラスA機器:適用ポート;AC電源
表.①クラスA機器
②クラスB機器:適用ポート;AC電源
表.②クラスB機器
③クラスA機器-非対称モード:適用ポート;有線ネットワーク、光ファイバ、アンテナ
表.③クラスA機器-非対称モード
④クラスB機器-非対称モード:適用ポート;有線ネットワーク、光ファイバ、アンテナ、放送受信チューナ
表.④クラスB機器-非対称モート
⑤クラスB機器-差動電圧:適用ポート;TV放送受信チューナ、RF変調器出力、FM放送受信チューナ
表.⑤クラスB機器-差動電圧


*関連記事
マルチメディア機器のイミュニティ規格(EN55035)の試験レベル値、判定基準について


*「お問合せ