*モバイル機器では、リチウムイオン電池を搭載した機器が多いので、「安全を確保するための保護方策」が必須になります。
・又、IoT機器においてもリチウムイオン電池を使用する機器は非常に多くなっています。それにともおなって、発火や発熱などの事故が多くなっています。(欧州、RAPEXサイト2020年度で、A社ノートPCのバッテリ過熱事故でリコールが公表されています。)
そこで、この電池を「安全に使用するための保護する方策」が必要になります。
*主な安全保護方策は以下のようです。
1.使用する電池自身に保護機能がある。
・電池自体が電池規格に適合していること。
・具体的には下のような安全性確保対策
a)熱(温度)ヒューズ
b)内圧上昇で作動する安全弁
C)ポリエチレン系セパレータ使用の場合、約125℃の融点を超えると閉孔し電流を遮断する自己機能
2.電池を搭載する側での保護方策
(1)充電電圧と充電電流を使用する電池特性に合わせて充電制御する。
(2)指定最高充電温度を超えた時は,充電を停止する 。
(3)電池の温度が指定最低充電温度未満になっている場合は,電池の指定電流値に制限して充電する。
(4)リチウム二次電池は,防火用エンクロージャを備える。
(5)持ち運び機器では落下でも異常が起きない構造にする。
(6)電池がショートしない構造。
3.電池パック、充電器での保護方策
(1)温度異常検出
(2)過充電防止
(3)過放電防止
(4)過大電流保護回路及び切断回路(ヒューズ)
*参考:
(1)リチウムイオン電池故障の大半の内部短絡の要因
・高電流での充電、または低温下の高電流での充電・放電、または過充電、過充電の繰返し
・電極部への鉄粉や鉄粒子の混入
・腐食やセパレータ、シール等の劣化
(2)その他のトラブル要因
・製造不良
・極端な誤使用
・取付ミス
・落下や外部での短絡
・設計不良
参考資料:IEC62368-1、附属書M