「新機械規則の技術文書」の内容は!

*機械指令から機械規則に変更に伴い、「技術ファイル」から「技術文書」に名称変更
 ・技術ファイル(機械指令) ⇒名称変更⇒ 技術文書(機械規則)


*「機械規則」の「機械の技術文書」項目は下図です。


機械規則の技術文書


 

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機械規則における「機械メーカの義務」は!

*「EU、新機械規則」における「機械メーカの義務」は下記です。


・「機械の製造業者」の義務


1.製品は附属書Ⅲ「必須の健康および安全要件」に従って設計および製造されること。
2.市場投入前に「適合性評価手順」を実行し、「技術文書」を作成すること。
 製品が要件に適合している場合は、「EU適合宣言書」を作成し、CEマーキングを貼付すること。
3.市場投入後、「技術文書およびEU適合宣言」を少なくとも10年間保管すること。
 尚、SWが関係する場合、ソースコードまたはプログラミングロジックを保管し、管轄当局からの要求されたら、提供すること。
4.連続生産の一部である製品が本規則に準拠し続けるための品質管理システムが整備されていること。
5.製品には、そのモデル、シリーズまたはタイプ、製造年が明記されていること。
6.自社の名前、登録商号または登録商標、および連絡先を表示すること。
7.使用説明書および附属書IIIに記載されている情報が添付されていること。
 使用説明書はデジタル形式でも提供可能で、ユーザーが容易に理解できる言語で書かれていること。
8.製品にEU適合宣言書が添付されていることを確認すること。
 デジタルのEU適合宣言は、製品の市場投入後または使用開始後少なくとも10年間は、オンラインでアクセスできるようにすること。

9.市場投入または使用開始した製品が本規則に適合していないと分かった場合は、必要な是正措置を直ちに講じること。
そして、適宜、適合性を撤回したり、リコールしたりすること。
10.管轄当局からの要求されたら、製品がこの規則に適合していることを証明するために必要なすべての情報および文書を提供すること。
 また、その当局の要請に応じて、市場に投入または使用開始した製品によってもたらされるリスクを排除するために講じる措置について、その当局に協力すること。


*「半完成機械の製造業者」の義務


1.部分的に完成した機械を市場に出すには、附属書Ⅲ「必須な健康および安全要件」に従って設計および製造する。
2.
市場投入前に技術文書を作成し、適合性をEU組込み宣言で証明する。
3.技術文書とEU組込み宣言を少なくとも10年間保管し、必要に応じて管轄当局に提供する。
4.連続生産の一部である機械が規則に準拠し続けるための品質管理手順を整備する。
5.市場に出す機械には、名称、製造年、モデル、シリーズまたはタイプ、バッチ番号、シリアル番号などの識別情報を明示する。
6.自社の名前、登録商号または登録商標、連絡先を機械上に表示する。
7.
部分的に完成した機械に組立説明書を添付し、デジタル形式で提供することもできる。
8.
EU組み込み宣言を添付し、また、デジタル形式でも提供する。
9.
市場に投入した機械が規則に適合していない場合、是正措置を講じ、必要に応じて管轄当局に通知します。
10.
必要なすべての情報および文書を管轄当局に提供し、リスクを排除するための当局措置に協力する。


 

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「EU,新機械規則」への適合方法は!

*「機械規則における適合のステップ」は6つです。


1.「機械規則」に該当の確認
 製品が機械規則の対象となるかどうかを確認する。
 (機械規則の適用範囲・定義により、確認する)
2.「適合評価モジュール」の決定
  機械規則の附属書Iにより、モジュール(適合評価方式)が定められており、適切なモジュールを選択する。
  (EU認証機関(ノーティファイドボディ)による評価や試験を受ける必要があるモジュールもある。
3.「整合規格」の選択

 機械規則に定められた整合規格の中から、製品に該当する規格を選択し、特定する。
 (製品により、複数の規格が該当する場合がある。)
4.設計・製造
 a)機械規則の附属書 III 「必須の健康および安全要件」に従って、チェックし、対応する。
 b)リスクアセスメントの実施し、リスクを低減し、結果を記録する。
 c)機械規則の整合規格の要求に従って、設計・製造を行う。
 d)機械規則だけでなく、製品に関連する他の法律(EMC、RoHSなど)の整合規格の要求に従って、設計・製造を行う。
 e)機械の取り扱い説明書、の作成
 f)選択モジュールに従った品質管理システムの構築と実施
 g)銘板(CE マークなど)を貼付
5.試験とエビデンス資料のまとめ
 a)モジュールに従った各種試験・検査の実施
  b)テストレポート、リスクアセスメント結果などのエビデンス資料を確保する。
6.技術文書及びEU適合宣言書の作成と保管
 a)技術文書は附属書Ⅳの内容による作成
  b)EU適合宣言書は附属書Ⅴの内容による作成


*関連URL
機械規則(原文):(EU) 2023/1230 ).


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機械規則(EU) 2023/1230の対象は何か!

*適用


・新機械規則の適用範囲は「1.機械、2.関連機器、及び 3.部分的に完成した機械」の3分類の機械に適用される。(機械指令は(a)~(g))
1.機械
2.関連製品
– (a) 交換可能な装置
– (b) 安全部品
– (c) 揚重具(荷物を持ち上げるための機械やリフト関連製品に取り付ける部品や装置)
– (d) チェーン、ロープ、ウェビング
– (e) 取り外し可能な機械伝動装置

3.部分的に完成した機械
 (「部分完成機械」とは、それ自体では特定の用途を実行できないため、まだ機械ではない組立て品であり、機械、部分完成機械または装置に組み込まれるか、それらと組立てられて機械を形成することを意図しているもの。)


*適用除外


・この規則は、以下のものには適用されない。
– (a)同一のコンポーネントを交換するためのスペアパーツとして使用することを目的とした安全コンポーネント。オリジナル機械、関連製品、または部分的に完成した機械のメーカーによって供給されるもの
– (b) 遊園地や娯楽施設で使用するための特定の設備
– (c) 核施設内で使用するために特別に設計・製造された機械や関連製品であり、この規則に準拠することがその施設の核安全性を損なう可能性があるもの
– (d) 武器、銃器
– (e) 空中、水上、鉄道網での輸送手段(それらの手段に取り付けられた機械を除く)
– (f) 規則(EU)2018/1139(1)及びこの規則における機械の定義に該当し、かつ当該規則がこの規則に定める関連する基本的健康安全要求事項をカバーしている航空製品、部品及び装備品
– (g) 規則(EU)2018/858の適用範囲内にある自動車及びその牽引車両並びにそのような車両用に設計・製造されたシステム、部品、別個技術単位、部分及び装備品(それらの車両に取り付けられた機械を除く)
– (h) 規則(EU)第168/2013号の適用範囲内にある二輪又は三輪車並びに四輪車並びにそのような車両用に設計・製造されたシステム、部品、別個技術単位、部分及び装備品(それらの車両に取り付けられた機械を除く)
– (i) 規則(EU)第167/2013号の適用範囲内にある農業及び林業トラクター並びにそのようなトラクター用に設計・製造されたシステム、部品、別個技術単位、部分及び装備品(それらのトラクターに取り付けられた機械を除く)
– (j) 競技専用の自動車
– (k) 海上船舶及び移動式海洋施設並びにその船舶又は施設に搭載された機械
– (l) 軍事又は警察の目的のために特別に設計・製造された機械や関連製品
– (m) 一時的に実験室で使用するために研究目的で特別に設計・製造された機械や関連製品
– (n) 鉱山巻き上げ装置
– (o) 芸術的な演技中に演者を移動させるための機械や関連製品
– (p) 次の電気及び電子製品であって、LVD指令又はRED指令の適用範囲内にあるもの:
  (i) 家庭用電気家具でない家庭用電気機器
  (ii) オーディオ及びビデオ機器
  (iii) 情報技術機器
  (iv) 普通のオフィス機器(三次元製品を生産する付加物印刷機を除く)
  (v) 低電圧スイッチギア及び制御装置
  (vi) 電動モーター
 (q) 次の高電圧電気製品:
  (i) スイッチギア及び制御装置
  (ii) 変圧器


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