マルチメディア機器の安全規格(IEC 62368-1)の概要とIEC60950との違い!

*2020年12月20日以降、AV/情報通信機器は欧州、および米国では適合すべき規格がEN/IEC 62368-1に変更になっています。
・EN60950-1(IT)、及びEN60065(AV)は「2020年12月20日に破棄」されました。→ EN 62368-1:2014/AC2015が必須 
・従って、このEN62368-1規格への対応が必須です。
図.AV/ICT機器
図.AV/ICT機器


1.EN 62368-1(IEC 60368-1)の概要


*IEC 62368-1規格は、「IEC 60950-1とIEC 60065の規格の単なる合併ではない」
・即ち、全く、違う構成・要求内容であり、テストレポートも違う様式です。

従って、再評価/試験が必要になる。
・試験内容が「規格の本体部分だけではなく、附属書にも、要求事項がかなりあるので、理解するのに、時間が掛かる。
・この規格では、新しく採用された用語があり、この用語の理解が必要になる。
・電源装置やファンなどのコンポーネントやサブアセンブリもこの規格に適合した認証が必要になる。


2.本規格(HESE)の特徴


・このIEC62368-1は危険性に基づく標準工学(HBSE)の原則に基づいて作成されたものです。HBSEでの安全性は製品に依存しているのではなく、機器内に潜在するエネルギーに基づいているという考え方が原則となっている。
・尚、一般のリスクアセスメントによるものではなく、本規格特有なものです。
・下図はIEC 62368-1での考え方(概念)による、1~4の概念の流れです。
・但し、あくまで、本規格の概念を説明しているだけである。どんな種類の人が使用するのか、機器にどの程度の危険レベルかを特定すれば、実際の試験は、できます。

図.本規格(HESE)の考え方


3.IEC60950-1との主な相違点


・下表のように、IEC62368-1の要求内容はIEC60950規格と色々と異なつており、又、テストレポート様式も違うので、再試験が必要になります。
(尚、下表(相違点)はあくまで。主な一般的なものです。すべてではありません。)
表.IEC60950-1とIEC62368-1の主な違い


*試験の時間はIEC60950より、掛かる


・IEC62368-1では、試験モードに異常状態が追加されて、3つ(通常、異常、単一故障)になった。詳細は附属書B。
・又、その他の要求事項も、IEC60950より、増加している。
・結局、試験時間が増加するようです。(1.5~2倍)


*規格の理解と早期の試験での確認が大切です。


*結局、IEC62368-1は、IEC60950は別の規格とみなして、全面的に見直しが必要になる。
・従って、IEC 62368-1への対応を、すぐに、始めることをお勧めします。


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