*EUの医療機器規制(MDR): EU 2017 / 745 において、クラスⅠ機器の「MDR適合の手順」を下に示す。
・図.MDR 適用のながれ(クラスⅠ機器) 1.クラスⅠの医療機器であることを確認・MDRの付属書VIII(クラス分類の定義)により 、この製品がクラスI機器として正しく分類されていることを確認する。 ⇒ANNEX VIII of MDR (EU) 2017/745 2.クラスⅠ機器でも、2つに分かれる。・a)「通知機関(NB)関与のクラスⅠ機器」、及び b)「NB関与不要のクラスⅠ機器」の2つである。 ・医療機器は通知機関(NB)の関与する機器は以下の「①、②、③のクラスⅠ機器」で、それ以外は、NB関与不要の機器です。 (付属書IXの第I章と第III章、または付属書XIのパートAに記載) -① 滅菌機器(コード:MDS 1005) -② 手術器具(コード:MDS 1006) -③測定機能付き機器(コードMDS 1010) – MDCG 2019-14 でコードを確認 ・NBの関与の上記①~③のクラスⅠ機器の場合は、NBの認可が必須である。 ・尚、他の指令も該当するかを確認を要します。(EMC、RoHS,RED、MDなど) ・法定代理人の決定:EU域外の企業の場合は必須 3.「一般安全性とパフォーマンス(GSPR)」の要件に適合 ・MDRの「付属書IのGSPR(一般的な安全性とパフォーマンスの要件)」を満たすこと。⇒ANNEX I (GSPR:GENERAL SAFETY AND PERFORMANCE REQUIREMENTS)of MDR (EU) 2017/745 ・この付属書Iは下の1~3章である。:安全性、設計&製造、情報に関する多数の要求事項を満たすこと。 - 第1章:一般要求事項 – 第2章:「設計および製造」に関する要求事項 – 第3章:「機器に付属する情報」に関する要求事項 ・機械指令2006/42 / ECの意味の範囲内にある「機械」に該当する機器では、この機械指令の関連要件も、適用される(第1条(12)による)。 ・リスクアセスメント(ISO 14971)の実施 ・その他(EN 60601シリーズ:製品安全規格適合、EMC、RoHS指令遵守など) 4.臨床評価を実施する ・リスク分類に関係なく、すべての機器は、MDRの技術文書要件の一部として臨床評価を実施する。 5.技術文書を作成する ・製造者は、機器がMDRの技術要件に準拠していることを示す技術文書を作成し、最新の状態に保つ。 ・この技術文書は、付属書II(技術文書)およびIII(市販後調査に関する技術文書)に従って、EU適合宣言を作成する前に作成する必要がある。 ・製造業者は、所轄官庁、権限のある代表者(該当する場合)、および通知機関(該当する場合)からの要請に、技術文書を即、提出できるようにする。 ・次のような付属書IIおよびIIIに記載の全ての関連する内容を要する。 – 医療機器としての資格の根拠とそれに起因するリスククラス – 機器の技術仕様 – メーカーから提供される情報 – 前世代の機器および同様の機器への参照 – 設計および製造情報 – 一般的な安全性と性能の要件(製品安全規格、EMC規格に適合) – 適合性のデモンストレーション – ベネフィットリスク分析(付属書Iのセクション1および8)およびリスク管理(付属書Iのセクション3) – 前臨床および臨床評価データ – 市販後調査手順(PMS) – 記 録 6.安全使用とラベル付けの指示情報を作成 ・安全に使用し、潜在的なユーザーのトレーニングと知識を考慮して、機器と製造元および/または認定代理店を識別するために必要な安全性とパフォーマンスの情報を添付する。 ・この指示情報には、ラベル、機器パッケージ、および使用説明書の記述が含まれる。 7.出荷前、「メーカーの義務」遵守事項の確認 ・第10条に定められている「メーカーの義務」を確実に遵守するために、確認し認識する。 8.EU適合宣言書の作成 ・製造業者は、第19条および第52条(7)に従って適合宣言(DoC)を作成する。 ・機器を市場に出す国の各国語で書かれている必要がある。 ・その他の指令にも準拠:RoHS指令など 9.医療機器のマーキング ・クラス1医療機器の製造業者は、「CEマーク」を貼付する必要がある。 ・通知機関による承認が必要なクラス1医療機器の場合、CEマーキングには、関連する通知機関の識別番号を添付する。 ・MDR要求の「機器毎のUDI(Unique Device Identification) 番号およびバーコード等」を貼付する。 ・電気電子機器はWEEEにも準拠要。「車輪ゴミ箱×」マーク要 10.Eudamed(欧州医療機器データベース)への登録 ・機器を市場に出す前に、クラスI医療機器のメーカーはEudamedに機器を登録する。 ・製造業者に関するデータを検証した後、所管官庁はEudamedでそれを検証し、製造業者はSRN(単一登録番号)を取得します。 ・製造業者は、第29条に基づく義務を履行するために、適合性評価およびEudamedへのアクセスをNBに申請する際に、SRNを使用する。 注:必要に応じて、Eudamedにアクセスしてデータを提供するために、認定代表者および輸入業者もSRNを取得するために登録する必要がある。 メーカーによるEudamedでの機器の登録には以下が含まれる。 – UDI-DIの割当(基本UDI-DIを使用) – セクション2.2を除き、付属書VIのパートAのセクション2で参照情報を入力するか、すでに提供されている場合は、Eudamedで確認する。11.市販後調査システムの開始(計画と報告) ・クラスI医療機器を市場に出した後、製造業者は次のPMS(市販後調査システム)に従う。 – 市販後調査から得られたレビュー結果:製造業者は、必要な市販後調査システム(PMS)を導入し、MDRの第83条に従ってこのPMSを積極的に最新の状態に保つ。 – 欠陥:クラス1機器の製造業者は、現場の安全修正措置を報告する必要があり、各国当局に連絡する。 – 不適合製品:製造業者は、適切な修正を行うか、適切な是正措置を講じる必要がある。12.品質管理システム(QMS) - 製造者の義務(第10条)の重要な1つである「MDRの適合を保証する品質管理システム(QMS):ISO13485」を確立し、文書化し、実施し、維持し、最新の状態に保ち、継続的に改善しなければならない。
*MDR クラス分類の例 ・医療機器は、リスクに応じて4 クラスに分類され、リスクの低い順に列記 a)- Class I(NB関与なし)、ClassⅠ(NB関与有り):滅菌品、測定機能付き、再使用外科器具):(手術用メス、病院用ベッド、聴診器、車いす、石膏等) b)- Class IIa(電子血圧計、カテーテル、輸血用機器、注射器、補聴器、電子体温計等) c)- Class IIb(超音波手術装置、輸液ポンプ、患者モニター、体外型除細動器、レントゲン、コンタクトレンズ、人工呼吸器、非吸収性外科用縫合素材等)、 d)- Class III(人工血管、人工心臓弁、脳外科用止血クリップ、非能動植込型医療機器、吸収性外科用縫合素材等)
*関連URL ・Medical devices : Regulation (EU) 2017/745 .