RoHS指令の新らしい整合規格(EN IEC 63000)を発効しています!

*EU委員会は、RoHS(電気電子機器の廃棄物)指令の新しい整合規格(EN IEC 63000)を2020年5月15日に発効しました。
2021年11月18日からは、この規格が適用(強制)になります。
尚、要求内容はほとんど変わりません→下の「*留意事項」を参照ください。


EN IEC 63000:2018 (IEC 63000:2016)
Technical documentation for the assessment of electrical and electronic products with respect to the restriction of hazardous substances
・表題:「電気電子製品における有害物質の制限評価に関する技術文書について」


・尚、現在の整合規格EN 50581は2021年11月18日に破棄されます。
・このため、この規格EN IEC 63000:2018がRoHS指令の整合規格になりました
*内容の違いはIEC採用化に伴い、図1(RoHS技術文書作成の流れ)
流れを上下を逆に記載変更したのみで、EN 50581:2012と内容は変わりません。


*留意事項「この整合規格の更新で行わなければならないこと」は何か。
 ・「適合宣言書(DOC)と技術文書(TD)内」の整合規格「名称&年号」を「EN IEC63000:2018」に書き換えることが必須になります。

・即ち、EN 50581:2012 (現在のもの)→ EN IEC 63000:2018に書き換え
・表.RoHS指令の整合規格更新(違いのまとめ)
 表.RoHS指令の整合規格更新(違い)


図1.RoHS技術文書作成の流れ(EN IEC 63000:2018):変更箇所の部分


*参考:規格の項目
1 範囲…..6
2 参照….. 6
3 用語と定義… 6
4 技術文書….. 6
4.1 概要….. 6
4.2 技術文書の内容………. 7
4.3 材料、部品、および/またはサブアセンブリに関する情報…….. 7
4.3.1 製造業者が行うべき作業……………. 7
4.3.2 必要な情報を決定する……….. 8
4.3.3 情報の収集………… 8
4.3.4 情報の評価…….. 9
4.3.5 技術文書のレビュー…. 9
参考文献… 10
図1- 技術文書を作成する工程……… 7


*関連ページ
RoHS指令において適用除外の大規模機器とはどんな機器なのか


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CEマーキングのEMC,LVD,RED,RoHSの技術文書の作成について!

*CEマーキングの技術文書の作成について解説します。


*CEマーキングを行うには、それぞれの指令のおいて、必ず、技術文書を作成し、10年保管することが義務(必須)になっている。
 技術文書のファイル
 写真. 技術文書ファイルの外観


*技術文書は欧州当局から、トラブル等があった場合に即、提出しなければならない製品の指令適合のエビデンス文書です。


*ポイントは以下です。
・技術文書の作成は義務である。
・出荷後、10年保管しなけらばならない
・欧州の市場監視当局から要求があった場合、速やかに提出できるようにしなければならない

・作成するべき項目は、それぞれの指令内に記載されている
・決まった具体的内容の記述はないので、独自に項目の具体的な内容を考えて、作成しなければならない。
・それぞれの指令によって、共通的な項目とその指令の特有な項目がある。
尚、EMC指令またはRED指令でNBを関与させる場合は、EU型式検査の申請時にNBに技術文書を提出し、審査を受ける必要がある。


(1) EMC指令の技術文書について


・EMC指令の付属書Ⅱ、3(技術文書)項に要求事項が記載されています。


・EMC指令の技術文書に最小限、含まなければならない構成要素は(a)~(f)です。
(
a)装置の一般的な説明
(b)設計コンセプト、及び製造図面、並びに部品、サブアセンブリー、回路等の概要図
(c)それらの図面、スキーム、及び装置の操作を理解するために必要な説明
(d)適用した全部または一部EMC整合規格のリスト、更に整合規格を適用していない場合は、適用した他のEMC技術仕様のリストによる、EMC指令の要求事項を満たすために採用した解決策について
(e)EMC設計の結果、実施した検討結果
(f)EMCテストレポート
図.EMC指令の技術文書の構成
図.EMC指令の技術文書の構成


(2) LVD指令の技術文書について


・LVD指令の付属書Ⅲ、2(技術文書)項に要求事項が記載されています。


・LVD指令の技術文書に最小限、含まなければならない構成要素は(a)~(f)です。
(a)装置の一般的な説明
(b)設計コンセプト、及び製造図面、並びに部品、サブアセンブリー、回路等の概要図
(c)それらの図面、スキーム、及び装置の操作を理解するために必要な説明
(d)適用した全部または一部LVD整合規格のリスト、更に整合規格を適用していない場合は、適用した他のLVD技術仕様のリストによる、LVD指令の要求事項を満たすために採用した解決策について
(e)LVD設計計算の結果、実施した検討結果
(f)LVDテストレポート
図.LVD指令の技術文書の構成
図.LVD指令の技術文書の構成


*EMC指令とLVD指令の技術文書は((a)~(c)は同じです。
又、(d)~(f)はEMC面とLVD面の違いです。


(3) RED指令の技術文書について


・RED指令の付属書Ⅴ(技術文書の内容)に要求事項が記載されています。下の内容です。


・REDの技術文書に最小限、含まなければならない構成要素は(a)~(i)です。
(a)装置の一般的な説明と次を含む
 (ⅰ)外観形状、マーク、及びレイアウトを示す写真か、イラスト
 (ⅱ)RED適合に影響を与えるソフトウエア、またはファームウェアのバージョン
 (ⅲ)使用者情報、及び設置指示書
(b)設計コンセプト、及び製造図面、並びに部品、サブアセンブリー、回路等の概要図
(c)それらの図面、スキーム、及び装置の操作を理解するために必要な説明
(d)適用した全部または一部RED整合規格のリスト、更に整合規格を適用していない場合は、適用した他のRED技術仕様のリストによる、RED指令の要求事項を満たすために採用した解決策について
(e)EU適合宣言書のコピー
(f)EU型式検査を採用した場合は、関与したNBが発行したEU型式検査証明書とその付属書のコピー
(g)RED
設計計算の結果、実施した検討結果
(h)REDテストレポート
(i)第10条2項(1つのEU加盟国の無線スペクトラム使用に抵触しない)の要求に適合していること、及び梱包上に第10条10項の情報を含むか否かの説明
図.RED指令の技術文書の構成
図.RED指令の技術文書の構成


*RED指令の技術文書は(b)と(c)以外は異なるようです。


(4) RoHS指令の技術文書について


・RoHS指令の7条(b)にDecision No 768/2008/ECの附属書ⅡのモジュールAに従うことが記載されています。
・技術文書はRoHS整合規格であるRoHS指令の整合規格である「IEC EN63000(RoHS技術文書作成)」によります。


(a)装置の一般的な説明
(b)設計コンセプト、及び製造図面、並びに部品、サブアセンブリー、回路等の概要図
(c)それらの図面、スキーム、及び装置の操作を理解するために必要な説明
(d)RoHS製品カテゴリ、RoHS整合規格名 
(e)RoHS適合部品の選択についての自社評価手順の説明

(f)全部品のRoHS適合部品の一覧表(RoHSーBOM)
(g)適合エビデンス文書:全ての材料、部品、及び半完成品の「非含有証明書」、又は実施「RoHSテストレポート」等エビデンス文書


 

図.RoHS指令の技術文書の構成
RoHS指令の技術文書の構成


*関連記事
CEマーキングの自己認証の手順について


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LVD指令・EMC指令の技術文書とEU適合宣言書の作成について!

*CEマーキングにおいては、製造企業は必ず、次の2つの文書を作り、10年間保管しなければなりません。


(1)技術文書(Technical Documentation)
(2)EU適合宣言書(EU DECLARATION OF CONFORMITY )


(1)技術文書の記載内容について
・低電圧指令、又はEMC指令の附属書に下表のような要求事項があります。
表.技術文書の記載内容


(2)EU適合宣言書
・このEU適合宣言書も各指令の附属書に記載項目が列記されています。
・下はEMC指令の記載内容です。
・尚、EMC,LVD、RoHSの適合を一つにまとめて宣言します。

(EMC指令附属書の記載)
表題:EU declaration of conformity (No Xxxx) 注(1)
1. Apparatus model/Product (product, type, batch or serial number):
2. Name and address of the manufacturer or his authorised representative:
3. This declaration of conformity is issued under the sole responsibility of the manufacturer.
4. Object of the declaration (identification of apparatus allowing traceability; it may include a colour image of sufficient clarity where necessary for the identification of the apparatus):
5. The object of the declaration described above is in conformity with the relevant Union harmonisation legislation:
6. References to the relevant harmonised standards used, including the date of the standard, or references to the other technical specifications, including the date of the specification, in relation to which conformity is declared:
7. Where applicable, the notified body … (name, number) performed … (description of intervention) and issued the certificate:
8. Additional information:
・Signed for and on behalf of:
・(place and date of issue):
・(name, function) (signature):
注:(1) It is optional for the manufacturer to assign a number to the declaration of conformity.


(3)EU適合宣言書(DoC)の例
・EUの適合宣言書の例を下図に示します。
・尚、下の例はEMC、LVD、RoHSの適合をまとめたものです。
EU適合宣言の様式の例


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