LVD指令、EMC指令の技術文書の記載項目!

CEマーキングにおいては、製造企業は必ず、次の2つの文書を作り、保管しなければなりません。
(1)技術文書(Technical Documentation)
(2)EU適合宣言書(EU DECLARATION OF CONFORMITY )


(1)技術文書について、低電圧指令、又はEMC指令の附属書に下表のような要求事項があります。

主な電気電子機器の製品安全とEMC規格!

*機器又は部品毎に「製品安全規格、及びEMC規格」は異なります。
従って、的確に該当する規格を選択し、これに基づき、設計・評価しましょう。


「主な電気電子機器のIEC規格一覧表」は下のようです。

以上のごとく、機器そのものだけでなく、電気電子製品に組込まれるモータ、トランスなども、該当規格への適合が必要です。

米国、FCC規制のSDoC方式について!

米国、FCC規制適用証明として、RF放射を意図しない機器については事業者自身によるSDoC方式が有効になっています。
・但し、適合条件の遵守は必須です。


1.どんな機器がSDoCが可能か
・SDoCの対象となる装置は、通信目的で無線周波数信号(RF)を意図的に送信しない装置、すなわち、音声・データを無線受信機に送信しない装置です。
・SDoCのカテゴリには、コンピュータ周辺機器、発光ダイオード(LED)表示、超音波加湿器、電子レンジなど、幅広い民生用および商業用機器が含まれています。
・SDoCの対象となる機器は、FCC規則のセクション15.101(a)および18.203に記載されています。
・SDoCの対象となるすべての機器の網羅的なリストが含まれていないので、RF機器販売メーカは、RF機器が無線機器の規則に適合していることを確認しなければなりません。
表 FCC規則のRF放射を意図しない機器における認定タイプ


2.罰則
・違反者に罰金が科せられ、1回の違反につき合計15万ドルを超える可能性があります。
・現在、販売違反で1日あたり最大20,134ドル、継続的違反で最大151,005ドル


3.主な適合条件
(1)FCC技術規則のEMCテストの装置の適合
(2)機器の表示およびその他のラベルの準拠
(3)試験報告書や遵守報告書の記録文書の保持
(4)機器のFCC規則の遵守を担当する当事者が米国に存在すること


参考:日本内FCC認定試験所(69か所);TestFirm of Japan 20190321

重要安全部品の選択に必要な情報!

 

製品安全設計において、最初におこなう作業として、重要安全部品(Critical component)の選択が重要です。


・その際にメーカに要求し、入手する情報として、下の6つが必要です。


1.Component name: 部品名
2.Manufacture / trade mark: 製造者/商標
3.Type / model: タイプ/モデル
4.Technical specifications: 技術仕様,定格
5.Applicable standard: 適用規格
6.Mark of conformity (approval status) : 適合マーク(承認) UL,TUV,VDE等の適合マーク,UL File No


重要安全部品表の例
 1.              2.             3.               4.              5.              6.

米国向け、産業機器は製品安全認証制度を適用!

米国内で使用する「産業用電気電子機器」は、米国「OSHA(米国労働省労働安全衛生局)」の法律により、「製品安全規格の適合が義務」となっています


日本では、産業用電気電子機器については、特に製品安全についての強制されていませんが、米国では異なります。
米国では、工場の作業員の安全を守るために、州、市などの地域の監督官が、産業用設備の導入において、検査を行う義務があります。
その節に、電気・電子機器自体、及び、電源入力配線などの検査を指定機関の検査官が実施しています。

その節、NRTL認証を得ている機器は、検査なしで認可されます。


*国家認定試験機関(NRTL)制度
1988年から、米国労働安全衛生局(OSHA)によって設立されたは、製造業者および販売業者に、電気および電子機器および材料が作業者の安全に関する米国政府の規制を満たすことを実証する仕組みになっています。


*NRTL認証を必要する製品
連邦規則Title 29 Code(29 CFR Part 1910)のPart 1910の下で、NRTL認証は37種類の製品に必要です。この製品カテゴリーには、自己閉鎖型防火ドア、火災検知、スプリンクラーシステム、産業用作業場で頻繁に見られる設備など、職場環境の構築または運用に使用される広範囲の機器および材料など、産業環境用製品が含まれています。
・NRTL認証機器リスト

NRTL認証を必要する製品カテゴリ


*電気・電子機器に関係する電気の規則
・「1910 Subpart S – Electrical(電気)」

29 CFR 1910.399(電気)


*関連URL
・最新NRTLのリストCurrent List of NRTLs
(各NRTLの認定できる規格が分かります。)

OSHAの認定試験所(NRTL)プログラム
NRTLプログラムの試験規格リスト


*参考:各NRTLで認定可能な規格が異なります。又料金(認定、工場審査等)も違うようです。


OSHA


「NRTL認証」を支援します。
・上記についての「ご依頼内容」を「お問合せ」から、ご連絡下さい。

重要安全部品の選定!

・LVD、UL、IEC等の製品安全規格に適合するための設計を行うときに、忘れてはならない設計作業として、重要安全部品の選択が必須です。


・電気電子機器で使用される部品の内、「重要安全部品」はその部品毎に、該当する整合規格があり、それに適合している認証部品を選択し、使用しなければなりません。
・計測・制御・研究室用の製品安全規格(IEC61010-1)では14章(部品及びサブアセンブリ)、2章(引用規格)に記載されています。


#夫々の製品安全規格においては、「重要安全部品」は適合認証品が使用されていることが検査されますので、認証等のエビデンス(認証機関等の証明書)を入手しなければなりません。


#製品安全設計時に使用する部品・組立品において、重要安全部品は以下のようなものです。
・選定においては、十分に気を付けて選定しましょう。
(1)電気安全に関係する重要部品
ヒューズ、電源プラグ、電源コード、電源インレット、電源コネクター、電源アウトレット、電源スイッチ、ブレーカ、サーマルヒューズ(トランス内蔵の物も含む)、筐体材料、フォトカップラ、ライン間抵坑、スイッチ、抵抗・コンデンサの複合品、サージアブソーバ、ハードディスク、ファンモーター、内蔵電源、レーザーユニット等
(2)電気安全、及びEMCに関係する重要部品
電源卜ランス、ラインフィル夕ー、サーモスタット、リレー、ライン間コンデンサ、ライン・シャーシ間コンデンサ、高圧部品、モータ等
(3)絶縁材料、火災に関係する重要部品
プラスチック筐体、 PWB、配線等


これらの規格への適合支援をおこなっております。お問合せ下さい。

マルチメディア機器のエミッション規格(EN55032)の概要!

EN55032:2012(CISPR32:2012)は「マルチメディア機器」のエミッション規格です。
・CISPR22(IT機器のエミッション)をベースにCISPR13(放送用受信機と関連機器のエミッション)から特有の箇所を取り込んだ規格になっています。


・欧州EMC指令では、EN55032:2012が2012年12月5日に発効されており、2017年3月5日から強制になっています。


1.EN 55032:2010(CISPR32)の概要
(1)測定方法
CISPR22を基本に、周辺機器を接続し、通常使用状態での、即ち、「システム状態の測定」が要求されています。
(2)CISPR13から測定項目を追加
放送用受信機の①チューナポート入力電圧測定、および②ビデオ変調出力電圧測定です。
(3)1GHzまでのエミッション測定距離は2パターン
3mと10mの測定を許容値があります。
(4)1G-6GHzのエミッション測定を追加
(5)有線ネットワークポートの伝導妨害測定を追加。
(CISPR22の通信ポートの伝導妨害のこと。)
尚、受信機のチューナポート、及びアンテナポートの伝導妨害測定も要求されています。
2.クラス分け(住宅環境使用、及び、それ以外での使用)
①住宅環境で主に使用することを意図している製品はクラスB。
②それ以外はクラスA
3.複数の測定法が規定されている場合の選択
・そのどれかの測定法で適合すればよいようです。
尚、再試験の場合はその選択した測定で行わなければならない。
4.試験時のモニタ機器の表示内容
・複雑度によって4つのパターンが規定されています。
5.EMCテストレポートに記載すべき情報について
・「付属書のF」に参考として記載されています。
6.試験ポート構成が定義されています。(下図)
7.許容値について
付属書Aの「表」に規定されています。
①エンクロージャーポート:表A.2,表A.3,表A.4,表A.5,表A.6,表A.7
②AC電源ポート:表A.8,表A.9
③DC電源ポート:要求なし
④有線通信ポート:表A.10,表A.11
⑤信号・制御ポート:要求なし
⑥アンテナポート:表A.10,表A.11
⑦放送受信機チューナポート:表A.12
⑧RFモジュール出力ポート:表A.12
⑨光ファイバーポート:表A.11
(1)放射エミッション
①-1.クラスA機器:30-1000MHz

①-2.クラスA機器:1-6GHz

②-1.クラスB機器:30-1000MHz

②-2.クラスB機器:1-6GHz

③FM受信機

(2)伝導エミッション
①クラスA機器:適用ポート;AC電源

②クラスB機器:適用ポート;AC電源

③クラスA機器-非対称モード:適用ポート;有線ネットワーク、光ファイバ、アンテナ

④クラスB機器-非対称モード:適用ポート;有線ネットワーク、光ファイバ、アンテナ、放送受信チューナ

⑤クラスB機器-差動電圧:適用ポート;TV放送受信チューナ、RF変調器出力、FM放送受信チューナ

計測・制御・研究室用機器のCEマークに必須な指令と整合規格の選択!

産業用電気・電子機器の内、よく使用される機器として「計測・制御・研究室用機器」があります。
さて、日本では、この計測・制御・研究室用機器に対して製品安全、EMC(ノイズ)に対する法令(規制)がありません。
従って、特に海外に輸出しなければ、規格に準拠する、しないは、メーカの任意です。


 一方、欧州では、全ての電気・電子機器が対象のため、この計測・制御・研究室用機器も、EMC、LVDの規制対象機器となっています。
従って、海外に輸出する前に、EU法令に基ずく、製品に該当する規格(整合規格)に適合する必要があります。


・第一に、「計測・制御・研究室用機器」に関係する指令と整合規格を調べます。
・次に「各規格の適用範囲」の項目に対象製品が該当しているかを確認します。
・尚、一般要求事項の規格はこの「計測・制御・研究室用機器」の機器に全て適用されます。更に、「特定要求事項の規格(2シリーズ)」は該当していれば、この規格規格の両方の適用になります。


参考.
1.LVD指令における「計測・制御・研究室用機器」の整合規格一覧

EN 61010-1:一般要求事項
EN 61010-2-010:材料加熱用の試験所機器の特定要求事項
EN 61010-2-020:試験所用遠心分離器の特定要求事項
EN 61010-2-030:試験又は計測回路をもつ機器の特定要求事項
EN 61010-031:電気計測及び試験のための手持形プローブアセンブリ
EN 61010-2-032:電気試験及び計測用手持ち形及び手動操作形電流センサの特定要求事項
EN 61010-2-033:主電源の計測が可能な家庭用及び業務用手持ち形マルチメータ及びその他のメータの特定要求事項
EN 61010-2-040:医用素材の処理に使用する滅菌器及び洗浄消毒器の特定要求事項
EN 61010-2-051:混合及び撹拌用の試験所機器の特定要求事項
EN 61010-2-061:熱的霧化及びイオン化をもつ試験所用原子スペクトロメータの特定要求事項
EN 61010-2-081:分析及びその他の用途の自動及び半自動試験所機器の特定要求事項
EN 61010-2-091:キャビネットX線システムの特定要求事項
EN 61010-2-101:インビトロ診断(IVD)医用機器の特定要求事項
EN 61010-2-120: 機械的側面がある機器に対する個別安全要求事項
EN 61010-2-201:制御機器の特定要求事項


2.EMC指令における「計測・制御・研究室用機器」の整合規格一覧
EN 61326-1:一般要求事項
EN 61326-2-1:個別要求事項 – EMC防護が施されていない感受性の高い試験及び計測機器の試験配置,動作条件及び性能評価基準
EN 61326-2-2:個別要求事項 – 低電圧配電システムで使用する可搬形試験,計測及びモニタ機器の試験配置,動作条件及び性能評価基準
EN 61326-2-3:特定要求事項-内蔵又は遠隔信号コンディショニング付きトランスデューサの試験構成,運転条件及び性能基準
EN 61326-2-4:特定要求事項 -IEC 61557-8に従う絶縁監視装置及びIEC 61557-9に従う絶縁故障用機器のための試験構成,運転条件及び性能基準
EN 61326-2-5:特定要求事項 -IEC 61784-1に従うインタフェースをもつ現場装置のための試験構成,運転条件及び性能基準
EN 61326-2-6:特定要求事項 – インビトロ診断(IVD)医用機器


3.規格の選択(例):「他の機器の回路等の電圧を測定する」機器の場合
(1)LVD指令
EN 61010-1:一般要求事項、
及び
EN 61010-2-030:試験又は計測回路をもつ機器の特定要求事項
(2)EMC指令
EN 61326-1:一般要求事項
及び
EN 61326-2-1:個別要求事項 – EMC防護が施されていない感受性の高い試験及び計測機器の試験配置,動作条件及び性能評価基準


これらの規格への適合支援をおこなっております。お問合せ下さい。

IEC 61010-1のリスクアセスメントの手法!

計測、制御、研究室用機器の製品安全規格(IEC 61010-1:2010)の3版には、リスクアセスメントの要求が追加されました。
このリスクアセスメントの方法について、IEC61010-1規格に記載されている方法の説明をします。
・この規格のリスクアセスメント方法は計測・制御・研究室用機器は、もちろん、他の「電気・電子機器用リスクアセスメント」として、理解し易い方法です。


1.IEC 61010-1規格のリスクアセスメント要求、および関連規定の記載場所
この要求は、「第17条および附属書J」に、要求事項、およびガイダンスを記載しています。


2.リスクアセスメントのながれ
下図のようなフローになります。尚、対象機器によって、危険源のレベルは違うので、その機器における全危険源に洗い出して、各危険源ごとに、リスクアセスメントを実施します。



図1 リスクアセスメントのフロー


3.事前検討・準備
リスクアセスメントを実施する方法を決めて、リスクアセスメントの事前準備を行う。
・IEC61010-1規格の附属書Jによる方法を採用し、見積り、評価、受容レベルを規定する。
(1)見積り、および評価のための、基準を明確化する。
a)各危険源リスクの「傷害の厳しさ」を決める。
人、設備、環境等に対する障害の厳しさを決める。
表1.「障害の厳しさ」(例)

b)各危険源リスクの「発生度合」を決める。
表2 「発生度合」(例)

C)受容のレベルを決める。
前記a),とb)の両方による「障害の受容レベル」を決める。
表3「障害の受容レベル」


4.リスクアセスメント実施
(1)機器のリスク現象を洗い出す。
この時に上図(0)意図する使用の制限内での危険源、及び予見可能な誤使用など、危険リスクを淡い出します。
(2)全危険リスクのリスクアセスメント実施
その後は、対象機器の全危険現象について、上図1にそって、(1)危険源の特定、(2)リスク見積り:「傷害の厳しさ(表1)」、「発生度合(表2)」の選定、(3)リスク評価「傷害の受容レベル」
(3)受容できない場合
リスク評価で受容不可のレベルの場合は、図1のごとく、リスク低減対策を実施し、再度、リスク見積り、リスク評価を実施する。尚、リスク評価で受容可能レベルまで、リスク低減の対策を繰り返します。


5.文書化と保管
全てのリスクが受容可能レベルに達したら、一連のリスクアセスメントを文書として残さなければなりません。  以上


*参考:本規格(IEC 61010-1:2010)のJIS規格(JIS C1010-1:2014)が発行されています。
 下のURLから閲覧できます。
JIS検索


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