製品安全:漏れ電流!

漏れ電流またはタッチ電流は、内部電源部とアクセス可能な機器間の不十分な絶縁、または不適切な接地のために、機器へのアクセス可能な部分に存在する不都合な漏れ電流のことです。
・漏れ電流は次のように①、②、③に分類される。
①保護導体電流、または漏電電流:
IEC 60601-1規格で、「主電源部品から絶縁体を通ってまたは絶縁体を横切って保護接地導体または機能接地接続に流れる電流」として定義されている。
②タッチ電流、またはエンクロージャの漏れ電流:
IEC 60990規格で「設置または機器の1つまたは複数のアクセス可能な部分に触れるときの人体または動物の身体を通る電流」として定義されている。
③患者の漏れ電流(医療用電気機器に存在):IEC 60601-1規格で「患者接続から患者を経由してアースに流れる電流」として定義されている。
・これらの漏れ電流は、主電源で動作する電気機器で発生し、機器に接触する人(ユーザー、オペレーター、サービスプロバイダーなど)の「感電の危険」となる。


・次のような理由で、漏れ電流の値が大きくなる可能性がある。(不適切な接地または機器の設置、・機器の絶縁材の経年劣化および劣化、破損した部品)。
・許容値よりも大きい漏れ電流が発生している機器は、人体に感電の危険をもたらすので、許容値以下に低減する必要がある。


・漏れ電流の存在によって発生する感電から使用者を保護するために、試験を行います。この試験では、特定のテスターを使用してタッチ電流/保護接地電流/漏れ電流試験を実行します。
・漏れ電流の試験は、「定格電圧の上限と、最高周波数」で試験する必要があります。


・アースおよびタッチリーク電流に直接関係する部品(RFフィルターなど)を選択する場合、それらの部品の漏れ電流定格は注意して選択する必要がある。以上です

製品安全:保護手段!

1.保護手段(MOP)について
危害を引き起こすハザードに対する適切な保護手段(MOP)を実現するには、「正常状態と異常状態の両方」で製品に関連する既知の予測可能なハザードについて、全部を識別する必要があります。
MOP(保護手段)という用語は、一部の新規格(IEC 62368-1)で「セーフガード」という用語に置き換えられています。
セーフガードとは、容認できない危害のリスク(痛み、怪我による死亡、財産や環境の損傷)の可能性を減らすために、物理的な部品またはシステムまたは指示による保護のことです。
他の医療機器規格(IEC 60601-1)では、MOPを、感電の危険性のみによる容認できない危害のリスクを低減する手段として定義しています。
・絶縁で分離する必要がある領域に、1つの保護手段または2つの保護手段を備える必要がある。

・MOP(保護手段)は、各種のハザードカテゴリの「非危険区域と危険区域」のあらゆる種類のハザード分離に使用する。
例は次のようなことです。
・危険な状況を引き起こす可能性のあるエネルギーの①レベルを下げる、②伝搬速度を遅くする、または③方向を変更する
・危険な状況の原因を切断、中断、または無効化する。
・危険な状況の原因と、保護が必要な人間との間に障壁を設置する
・危険な状況の発生源の箇所へのアクセスを制限する


完全な保護は不可能なため、最良の安全対策は、人を保護することが優先される合理的で、かつ十分に考え抜かれた妥協点を見つけることになる。そして、製品に提供するMOPは、対象部分が規格等で指定された試験に適合しているかどうかで推定する。


2.感電に対する保護手段
・感電に対するMOPは、充電部との直接接触および間接接触に対して、設置する必要がある。
・それらは、固体絶縁体、危険場所と非危険エリアの間の間隔(空間距離と沿面距離)、保護接地接続、保護コンポーネント(インピーダンス、過電流保護デバイス、安全インターロック等)、バリアおよびエンクロージャーで構成または実現する。 又、危険区域へのアクセス、設置手順、危険区域の警告マーク、および保護具(危険電圧に対する手袋の耐性)で行う。

3.機械的危険に対する保護手段(MOP)
・機械的危険に対する保護手段は、障壁(ガード)、圧力逃がし弁、安全キャッチとインターロック、鋭利な角と角の丸み、設置手順、危険なエリアへのアクセスに関する警告マーク、および保護具(例:耐衝撃性ゴーグル、顔面シールド、耳栓)です。

4.放射線(イオン化および非イオン化)ハザードに対する保護手段
・放射線に対する保護手段は、放射線源のスクリーニング、放射線の制限を行う保護コンポーネント、放射線エリアへのアクセスを制限する安全インターロック、設置手順、放射線エリアに関する警告、および保護具(安全眼鏡)等です。

5.熱(熱および火災)ハザードに対する保護手段
熱的危険に対する保護手段は、可燃性部品からの潜在的な発火源の絶縁(分離)(巻線の過負荷、接触不良、短絡、およびアーク放電)、適切な可燃性成分(例えば、 現在の保護装置、熱遮断装置および温度制限装置)、潜在的な高温部品の警告マーク、設置説明書、および保護具(手袋や特殊な衣服)等です。
6.生物学的ハザードに対する保護手段
・生物学的危険に対する保護手段は、人体と接触する部品のIS0 10993規格に適合した生体適合性材料、潜在的な生物学的危険領域の警告表示、および保護具(手袋や特別な衣服など)等です。

7.化学的危険に対する保護手段
・化学的危険に対するMOPは、危険な物質を含む容器の分離と密閉、危険な場所へのアクセスに関する警告マーク、設置指示書、および保護具(手袋、特別な衣服、耐薬品性ゴーグルおよび顔面シールド)等です。
以上

マルチメディア規格IEC 62368-1への対応が必須!

*マルチメディア機器は2020年12月20日以降は欧州、米国では適合すべき規格が「IEC60950からIEC62368-1へ完全に変更」になります。
*従って、このマルチメディア規格への対応が必須になります。


*IEC 62368-1がIEC 60950-1とIEC 60065の規格の単なる合併であるとは想定しないことが重要です。又、全く、違う構成、テストレポートも違う内容になっているため、再試験が必要です。
・全部の試験内容が規格の本体項目に記載されておらず、附属書にも分けて、記載されている。
・この規格を検討する際には、採用されている新しい用語の理解です。
・電源装置やファンなどのコンポーネントやサブアセンブリもこの規格に適合した認証が必要になります。(IEC60950では不可)


*この規格は危険性に基づく標準工学(HBSE)の原則に基づいて作成されたものです。HBSEでの安全性は製品に依存しているのではなく、機器内のエネルギーに基づいているという原則によって確立しています。
・下図はIEC 62368-1保護の概念と、1~4の主要工程です。


・IEC62368-1の要求内容はIEC60950規格と異なつており、又、テストレポート様式も違うので、再試験が必要になります。
(下表(相違点)はあくまで一般的なものです。すべてを網羅するものではありません。)


*IEC 62368-1への対応を、今から始めることを推奨します。
以上

LVD指令、EMC指令の技術文書の作成!

CEマーキングにおいては、製造企業は必ず、次の2つの文書を作り、保管しなければなりません。
(1)技術文書(Technical Documentation)
(2)EU適合宣言書(EU DECLARATION OF CONFORMITY )


(1)技術文書の記載内容について、
低電圧指令、又はEMC指令の附属書に下表のような要求事項があります。


(2)EU適合宣言書
このEU適合宣言書も各指令の附属書に記載項目が列記されています。
下はEMC指令の記載内容です。尚、EMC,LVD、RoHSの適合を一つにまとめて宣言します。
(EMC指令附属書の記載)
表題:EU declaration of conformity (No Xxxx) 注(1)
1. Apparatus model/Product (product, type, batch or serial number):
2. Name and address of the manufacturer or his authorised representative:
3. This declaration of conformity is issued under the sole responsibility of the manufacturer.
4. Object of the declaration (identification of apparatus allowing traceability; it may include a colour image of sufficient clarity where necessary for the identification of the apparatus):
5. The object of the declaration described above is in conformity with the relevant Union harmonisation legislation:
6. References to the relevant harmonised standards used, including the date of the standard, or references to the other technical specifications, including the date of the specification, in relation to which conformity is declared:
7. Where applicable, the notified body … (name, number) performed … (description of intervention) and issued the certificate:
8. Additional information:
・Signed for and on behalf of:
・(place and date of issue):
・(name, function) (signature):
注:(1) It is optional for the manufacturer to assign a number to the declaration of conformity.
以上です。


上記の記事に関係する「EU適合宣言書の雛形」(Word)を販売しています。(但し:前入金です)
弊方では、「CEマーキングのサポート」を行っております。
ご要望等をお問合せからご連絡下さい。

「製品安全とEMC規格」の確認!

*機器又は部品毎に「製品安全規格、及びEMC規格」は異なります。
(従って、該当する規格を選択し、これに基づき、設計・評価・製造しましょう。)
*各規格のスコープに、対象範囲が記載されていますの、必ず、確認しましょう!


「主な電気電子機器のIEC規格一覧表」は下のようです。

上表のごとく、電気電子機器だけでなく、電気電子製品に組込まれるモータ、トランスなどの部品も、該当規格への適合が必要です。即ち、適切なIEC規格に準拠した製品を製造しなければなりません。

米国、FCC規制のSDoC方式について!

米国、FCC規制適用証明として、RF放射を意図しない機器については事業者自身によるSDoC方式が有効になっています。
・但し、適合条件の遵守は必須です。


1.どんな機器がSDoCが可能か
・SDoCの対象となる装置は、通信目的で無線周波数信号(RF)を意図的に送信しない装置、すなわち、音声・データを無線受信機に送信しない装置です。
・SDoCのカテゴリには、コンピュータ周辺機器、発光ダイオード(LED)表示、超音波加湿器、電子レンジなど、幅広い民生用および商業用機器が含まれています。
・SDoCの対象となる機器は、FCC規則のセクション15.101(a)および18.203に記載されています。
・SDoCの対象となるすべての機器の網羅的なリストが含まれていないので、RF機器販売メーカは、RF機器が無線機器の規則に適合していることを確認しなければなりません。
表 FCC規則のRF放射を意図しない機器における認定タイプ


2.罰則
・違反者に罰金が科せられ、1回の違反につき合計15万ドルを超える可能性があります。
・現在、販売違反で1日あたり最大20,134ドル、継続的違反で最大151,005ドル


3.主な適合条件
(1)FCC技術規則のEMCテストの装置の適合
(2)機器の表示およびその他のラベルの準拠
(3)試験報告書や遵守報告書の記録文書の保持
(4)機器のFCC規則の遵守を担当する当事者が米国に存在すること


参考:日本内FCC認定試験所(69か所);TestFirm of Japan 20190321

重要安全部品の選択に必要な情報!

 

製品安全設計において、最初に行わなければならない大切な作業は、表2の重要安全部品(Critical component)の選択です。これらの部品は認証品を選択しなくてななりません。


選択時に、メーカに要求し、入手する情報として、下の6つが重要です。特に6が必須です。


1.Component name: 部品名
2.Manufacture / trade mark: 製造者/商標
3.Type / model: タイプ/モデル
4.Technical specifications: 技術仕様,定格
5.Applicable standard: 適用規格
6.Mark of conformity (approval status) : 適合マーク(承認) UL,TUV,VDE等の適合マーク,UL File No


表1.重要安全部品表の記載(例)
 1.              2.             3.               4.              5.              6.


表2.主な重要安全部品


関連記事
 重要安全部品の重要性

米国向け、産業機器は製品安全認証制度を適用!

米国内で使用する「産業用電気電子機器」は、米国「OSHA(米国労働省労働安全衛生局)」の法律により、「製品安全規格の適合が義務」となっています


日本では、産業用電気電子機器については、特に製品安全についての強制されていませんが、米国では異なります。
米国では、工場の作業員の安全を守るために、州、市などの地域の監督官が、産業用設備の導入において、検査を行う義務があります。
その節に、電気・電子機器自体、及び、電源入力配線などの検査を指定機関の検査官が実施しています。

その節、NRTL認証を得ている機器は、検査なしで認可されます。


*国家認定試験機関(NRTL)制度
1988年から、米国労働安全衛生局(OSHA)によって設立されたは、製造業者および販売業者に、電気および電子機器および材料が作業者の安全に関する米国政府の規制を満たすことを実証する仕組みになっています。


*NRTL認証を必要する製品
連邦規則Title 29 Code(29 CFR Part 1910)のPart 1910の下で、NRTL認証は37種類の製品に必要です。この製品カテゴリーには、自己閉鎖型防火ドア、火災検知、スプリンクラーシステム、産業用作業場で頻繁に見られる設備など、職場環境の構築または運用に使用される広範囲の機器および材料など、産業環境用製品が含まれています。
・NRTL認証機器リスト

NRTL認証を必要する製品カテゴリ


*電気・電子機器に関係する電気の規則
・「1910 Subpart S – Electrical(電気)」

29 CFR 1910.399(電気)


*関連URL
・最新NRTLのリストCurrent List of NRTLs
(各NRTLの認定できる規格が分かります。)

OSHAの認定試験所(NRTL)プログラム
NRTLプログラムの試験規格リスト


*参考:各NRTLで認定可能な規格が異なります。又料金(認定、工場審査等)も違うようです。


OSHA


「NRTL認証」を支援します。
・上記についての「ご依頼内容」を「お問合せ」から、ご連絡下さい。

重要安全部品の重要性!

1.重要安全部品の重要性
・LVD、UL、IEC等の製品安全規格に適合するための回路設計を行うときに、第一番の「重要な設計作業」として、重要安全部品の選択があります。これを慎重に行わまいと、後で再選定などで、大変なトラブルをおこすことがあります。
備考):計測・制御・研究室用の製品安全規格(IEC61010-1)では14章(部品及びサブアセンブリ)、2章(引用規格)に記載されています。


2.エビデンス(証明書等)入手
・電気電子機器で使用される部品の内、「重要安全部品」はその部品毎に、該当する規格があり、それに適合している認証部品を選択し、使用しなければなりません。
備考):最近では、「RoHS指令への証明書」も同様に必須になっています。


3.試験時に証明書の確認
各種製品の「製品安全規格試験」において、「重要安全部品」は「各国の認定試験機関の適合認証品」が使用されていることが検査されます。又、この部品の認証書等(認証機関等の発行証明書)を確認等がありますので、事前に入手が必要になります。


4.重要安全部品
製品安全設計時に使用する部品・組立品において、重要安全部品は以下のようなものです。
・該当する場合は、十分に確認して選定しましょう。
(1)電気安全に関係する部品

ヒューズ、電源プラグ、電源コード、電源インレット、電源コネクター、電源アウトレット、電源スイッチ、ブレーカ、サーマルヒューズ(トランス内蔵の物も含む)、筐体材料、フォトカップラ、ライン間抵坑、スイッチ、抵抗・コンデンサの複合品、サージアブソーバ、ハードディスク、ファンモーター、内蔵電源、レーザーユニット等
(2)電気安全、及びEMCに関係する部品
電源卜ランス、ラインフィル夕ー、サーモスタット、リレー、ライン間コンデンサ、ライン・シャーシ間コンデンサ、高圧部品、モータ等
(3)絶縁材料、火災に関係する部品
プラスチック筐体、 PWB、配線等
(4)具体例一覧表

以上です。


これらの規格への適合支援をおこなっております。お問合せ下さい。