無線機器指令、「サイバーセキュリティ要件」の整合規格(EN 18031-1,-2,-3)を発効!2025月1月30日

EU、無線機器指令、「サイバーセキュリティ要件」の整合規格を2025年1月30日に発効した。


以下の3規格です。
1. EN 18031-1:2024 ( パート 1: インターネット接続無線機器)
  この規格では、インターネットに接続された無線機器の一般的なセキュリティ要件を規定しています。
尚、この規格では、製品が「直接通信するか他の機器を介して通信するかに関係なく、インターネット経由で通信できる電気電子製品」に関する無線機器のセキュリティ要件を規定している。
以下のような要求事項(6章)がある。:

(1)アクセス制御メカニズ
(2)認証メカニズム
(3)安全な更新メカニズム
(4)安全なストレージメカニズム
(5)安全な通信メカニズム
(6)復元メカニズム
(7)ネットワーク監視メカニズム
(8)トラフィック制御メカニズム
(9)機密暗号キー
(10)一般的な機器の機能
2.EN 18031-2:2024 (パート2:無線機器のデータ処理データ、-インターネット接続無線機器、育児無線機器、玩具無線機器、ウェアラブル無線機器等)
個人データ、トラフィック データ、または位置データを処理する無線機器の共通セキュリティ要件です。
そして、インターネットに接続された無線機器、育児専用に設計または意図された無線機器、玩具、ウェアラブル無線機器のいずれかです。
この規格は、個人データ、トラフィック データ、または位置データを処理する無線機器の技術仕様を提供します。
これは、インターネット経由で通信できる電気電子製品に関するもので、これらの製品が直接通信するか、他の機器を介して通信するかに関係なく、育児、玩具、またはウェアラブル無線機器に関するものです。
この範囲は、欧州議会および理事会の指令 (EU) 2018/1972 で定義される公共電子通信ネットワークおよび公的に利用可能な電子通信サービスのプロバイダーが使用する 5G ネットワーク機器には適用されない。
この規格には、以下のような要求事項(6章)がある。
(1)アクセス制御メカニズ
(2)認証メカニズム
(3)安全な更新メカニズム
(4)安全なストレージメカニズム
(5)安全な通信メカニズム
(6)ログ記録メカニズム
(7)削除メカニズム
(8)ユーザー通知メカニズム
(9)機密暗号キー
(10)一般的な機器の機能
3.EN 18031-3:2024 (パート 3: インターネット接続無線機器が仮想通貨または貨幣価値を処理する機器)
この規格対応機器により、所有者またはユーザーは、お金、金銭的価値、または仮想通貨を転送できます。
この規格では、仮想マネーまたは金銭的価値を処理する無線機器のセキュリティ仕様を示します。
この仕様は、これらの製品が直接通信するか、他の機器を介して通信するかに関係なく、インターネット経由で通信できる電気電子製品に適用されます。
この規格には、以下のような要求事項(6章)がある
(1)アクセス制御メカニズ
(2)認証メカニズム
(3)安全な更新メカニズム
(4)安全なストレージメカニズム
(5)安全な通信メカニズム
(6)ログ記録メカニズム
(7)機密暗号鍵
(8)一般的な機器の機能
(9)暗号化


*関連URL
Decision (EU) 2025/138:RED(2014/53/EU)のサイバーセキュリティに関連する整合規格実施決定法.

EU、無線機器指令において、「サイバーセキュリティ要件」を義務化!2025年8月1日

*無線機器指令(RED)において、「サイバーセキュリティ対応についての修正規則(EU 2022/30)」は「2025年8月1日」から義務化される。


無線機器指令の「第3条(3)、ポイント(d)、(e)および(f)に記述されている必須要件」について、本規則で、義務化した。
・この修正規則は、他の種類の無線機器の中でも、IoT デバイスや産業用制御システムに適用される。


*「3つの本質要件」と「適用(対象)機器」
*修正規則(EU 2022/30)の「3つの追加の本質要件」
 1. 「ネットワーク」および「ネットワーク機能」への「危害」からの保護:直接、または他の機器を介して、インターネットに通信できる無線機器
 2. ユーザーおよび加入者の「個人データ」と「プライバシー」の保護:①RED第3条、3項(b)、(c)又は(d)に規定する以外のインターネット接続無線機器、②保育専用に設計または意図された無線機器、③
玩具指令の対象機器、④人体、または帽子、手着、履物など、人間が着用する衣服などに装着する無線機器
 3.詐欺(不正アクセス)行為からの保護:「金銭、金銭的価値、または仮想通貨を送金できる」インターネットに接続された無線機器


*無線機器への要件
1.ネットワーク保護について
・ネットワークやその機能に悪影響を与えない。
・ネットワークリソースを悪用しない。
・許容できないサービスの低下を引き起こさない。
2.データプライバシーの保護について
・ユーザーと加入者のプライバシーを保護するための保護手段が組み込まれている。
3.不正行為への保護について
・不正行為から確実に保護する機能が含まれている。


*消費者向けIoT製品の例
・ネットワーク機器・機器・システム
・IoTゲートウェイ、基地局、複数のデバイスが接続するハブ
・スマートホームアシスタント機器
・インターネット接続な子供用玩具とベビーモニター
・インターネット接続煙感知器、ドアロック、窓センサー
・スマートカメラ、テレビ、スピーカー
・ウェアラブルヘルストラッカー
・インターネット接続ホームオートメーションおよびアラームシステム
・洗濯機や冷蔵庫などのインターネット接続家電製品


*整合規格(現時点)
・ETSI EN 303645:消費者用IoTのサイバーセキュリティ基本要件


*関連URL
・修正規則(EU)2022/30.:RED指令の修正規則:EUサイバーセキュリティ規則
・修正規則(EU)2023/2444:(EU)2022/30の適用日の修正


・整合規格:ETSI EN303 645v2.1.1 (Cyber Security for Consumer Internet of Things : Baseline Requirements).原文


 

 

RED(無線機器指令)の整合規格リストを更新!2022年11月10日付

*EUの「OJ L 289- 10/11/2022」において、RED(無線機器指令)の整合規格が更新されている。
・附属書 Iは、163の規格が追加
・附属書 II は、有効日の変更の3規格
・附属書 IIIには、破棄される22規格と破棄日


EU:OJ L 289 – 10/11/2022のWEB

COMMISSION IMPLEMENTING DECISION (EU) 2022/2191


*関連URL
 ・Commission Implementing Decision (EU) 2022/2191

 


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サイバー レジリエンス法で、NB認証が必須なデジタル製品は何か!

*本EU法では、NB認証が必須な「重要デジタル製品(インターネット通信製品)」がある。
・「重要デジタル製品」に指定されていない場合は自己宣言、またはNB認証の選択が可能である。


*NB認証の可否について


1. 「重要なデジタル製品以外のデジタル製品」
  ・本法の付属書Ⅲに記載のないデジタル製品
  → 自己適合宣言、又はNB認証かを選択できる。

2.「重要なデジタル製品クラスI(低リスク)製品
  a) EUCCやE欧州整合化規格に適合する場合
   → 
自己適合宣言、又はNB認証かを選択可能
     b) EUCC準拠やEN整合規格に適合していない場合
         → NB認証の取得が必須
3. 「重要なデジタル製品クラスII(高リスク)製品
   → NB認証が必須である。


*重要デジタル製品(クラスⅠ、Ⅱ)に指定されている機器


・付属書Ⅲに記載されているデジタル製品である。(クラスⅠ、Ⅱ分類)
・下図の製品が重要なデジタル製品に該当する。

サイバー レジリエンス法の重要デジタル製品


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ドローンはEMC指令、RED指令などの適合が必要です!

ドローン
*EUでは、ドローン(Unmanned aircraft systems)に関する「ドローン規則」が発行されている。
・規則 (EU) 2018/1139 :民間航空の分野における共通規則、欧州連合航空安全機関の設立、および規則改正
・規則 (EU) 2019/945:無人航空機システムおよび無人航空機システムの第三国のオペレーターについて


*ドローン規制では、「EMC指令、RED指令などへ適合」が要求される!
・規則 (EU) 2018/1139の(29)に記述。
・尚、整合規格は開発中のようですが、現在、下の規格で評価しているようです。


*EU内EMC試験所では下のEMC規格により、評価しているようです。
 a)EMC(2014/30/EU): EN 55032 & EN 55035
 b)RED(2014/53/EU): EN 301-489-XY(XYは無線の種類で異なる)


*関連ページ
EN 55032.
EN 55035.
EN 301-489-1.


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EMC指令の整合規格リストを更新!2022年6月9日付


*この更新に関係する機器は以下です。


(1)スイッチ、断路器、スイッチ-断路器及びヒューズコンビネーションユニット
・低圧開閉器及び制御装置-第3部:スイッチ、断路器、スイッチ-断路器及びヒューズコンビネーションユニット」 :
  EN IEC 60947-3:2009/A1:2012”2023年12月10日破棄” →EN IEC 60947-3:2021 
(2)携帯電話用外部電源(EPS):スマホ用ACアダプタ
電磁両立性及び電波スペクトルに関する事項(ERM);無線機器及びサービスに関する電磁両立性(EMC)規格;パート34:携帯電話用外部電源(EPS)に対する特定の条件
 EN 301 489 -34 V1.4.1 ”2023年12月10日破棄”


*関連URL
・COMMISSION IMPLEMENTING DECISION (EU) 2022/910 of 9 June 2022.


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人体への電磁波照射(人体暴露)に関する規制に、どのような規格があるか!

*EUでは電磁波による人体暴露に関する主な指令、及び規格がある!


1.LVD指令:製品安全に関する低電圧指令


(1)EN 62311
・「電気電子機器」の電磁界(0Hz~300GHz)での人体曝露制限に関する評価

(2)EN 62479
・「低電力電気電子機器」の電磁界(10MHz~300GHz)に対する人体暴露に関する適合性評価
(3)EN 62493
・「照明機器」の人体への曝露に関する評価

(4)EN 50364
・「万引き監視システム
(EAS)、無線自動識別(RFID)及び類似の用途に使用される機器」の電磁界(10MHz~300GHz)での人体露出の制限
:電磁界への人の露出の制限

(5)EN 50445
・「抵抗溶接,アーク溶接及びその関連工程の装置」が,電磁界(0 Hz~300 GHz)での人体曝露に関する基本的な制限
(6)EN 62233
・「家庭用電気機器及び類似機器」の人体曝露に関する電磁界の測定方法


2.RED指令:無線機器に関する指令


(1)EN 50360
・「耳の近くで使用される無線機器」の電磁界(300MHzから6GHz)の周波数範囲におけるへの人間の曝露に関する基本的な制限及び曝露限度値への適合
(2)EN 50566
・「人体に近接する手持ち、及び身体装着型の無線通信機器」における,電磁界(30MHzから6GHz)の周波数範囲におけるへの人体の曝露に関する基本的な制限及び曝露限度値に適合


3.EMF指令(2013/35/EU):労働者の作業中に関する無線機器指令


・労働者の作業中における電磁界暴露から生じる,又は生じる可能性のある健康及び安全に対するリスクから労働者を保護するための最低要件を規定


4.EMC指令:(機器間に関する電磁環境適合性)


・なし


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無線機器指令の共通EMC規格は固定・車両・携帯の用途により、試験項目が異なる!

*無線機器指令の3.1(b)要求されている共通EMC規格「ETSI EN 301 489-1」は、用途により、試験項目が異なる。
・無線機器のEMC試験のテストプラン作成時にチェックしよう。
・以下の表のごとくです。
REDの共通EMC規格(ETSI EN 301 489-1)の用途別試験項目

 

無線機器指令(RED)の必須要求事項は4つである!

*無線機器指令(RED)の必須要求事項の4つは、指令の3条に記載がある。


・下図のように、1.~3.は「全ての無線機器」に要求される、また4.は「特定の無線機器」に対して要求する。
無線機器指令の必須要求事項
図. 無線機器指令(RED)の必須要求事項は4つ


*関連URL
・無線機器指令(原文)は「便利リンク」のページ、「3.(7)RED指令のURL」より、参照できる。


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無線機器指令(RED)の適合を製造者が自己宣言できる!

*RED(無線機器指令)では、認証手順は3つの選択がある。
・手順はRED指令の付属書II,III,IVに記載されている。
無線機器指令の認証手順の選定
図.無線機器指令の認証手順の選択:(1)~(3)
  ⬇
・上図のように、多くの無線機器(低電力短距離デバイスは当然)の場合、付属書II(モジュールA)による、①REDに従った内部生産管理と②各機器の該当する整合規格の試験要求に基づいて行えば、「製造者の自己宣言(自己認証)」が可能です

・LVD(3.1(a))及びEMC(3.1(b))は上図のごとく、自己宣言です。


*参考:低電力短距離デバイスにおける無線スペクロラムの整合規格の例を下に示す。
・ETSI EN 300 220-  :Garage door openers, remote keyless entry
・ETSI EN 300 330-  :①9kHzから25MHzーShort Range Device,②9kHzから30MHzーRadio Frequency Identification (RFID), Near Field Communication (NFC) and Electronic Article Surveillance (EAS) 
・ETSI EN 300 440-  :RC Toys and RFID
・ETSI EN 300 328- (2.4GHz wideband Tx/Rx) :WiFi 802.11b/g/n, Bluetooth, Zigbee
・ETSI EN 301 893- (5GHz wideband Tx/Rx) :WiFi 802.11 a/n/ac