計測・制御・試験室用機器の製品安全規格(EN 61010-1:2010/A1:2019版)の適合が必須!2022年5月30日以降

*計測・制御・試験室機器の製品安全規格であるEN61010-1は2022年5月30日から、「EN 61010-1:2010/A1:2019の適合」が必須になる。
そして、旧版(EN 61010-1:2010)は無効になる。
EN 61010-1_2019へ移行


*従って、2022年5月30日以降出荷する製品は新しいEN61010-1:2019版での再評価が必要になります→従って、再評価が必要です!
弊方では、2019版への改定評価をサポートしています。:追加テストレポート作成など。
お気軽に「お問合せ」から、ご連絡下さい。


*EN61010-1:2010からEN 61010-1:2010/A1:2019への変更内容は以下の(1)から(34)です


(1) 試験(4.1項)に以下を追記
・17項のリスクアセスメントを裏付けるために必要な試験は、リスクアセスメントで同定した条件と操作の組合せでテストを実施する。
(2) 単一故障の試験(4.4.1c)に以下を追記
・基準の環境条件(4.3項)が実際の単一故障としての評価でない場合は、その機器の最も不利な定格環境条件で、その試験を行わなければならない。
(3) 保護インピーダンス(4.4.2)
・b)項削除。:誤記のため。C)項→b)に繰り上げ 
(4) 主電源の適合確認:(5.1.3e))に置換え

・(5.1.3c)の要求に適合するかどうかを電力又は入力電流の測定によってチェックする。
 その測定は最大消費電力の条件又は、全アクセサリ、プラグインモジュールに該当する電流で、定格電圧で測定する。
 もし、通常の動作サイクルで入力電流が変わるならば、その定常状態電流は通常動作サイクルの1分間の最大測定実効値である。
 初期突入電流を除外するために,電流が安定するまで測定しない。(通常1分後)
 過渡現象は無視する。
(5) 5.1.5.2 端子:c)項
・制御回路 → 回路に変更 :制御回路に限らないため。

(6) 警告表示(5.2)
・適合性記述文の前の段落を、次に置換え
 取扱い説明書で、操作者が工具を用いて、正常な状態でハザードがあり得る箇所への接近を認めると記述している場合、接近前にその機器を安全な状態に置かなければならない旨を示す警告表示がなければならない。
 番号14の記号は文書に含まれる警告文と共に、この目的のために用いらなければならない。
 該当する記号12,13,17のような記号を追加してもよい。記号は、文書警告より望ましい表示方法である。補助の警告文を記号に隣接してもよい。
(7) 文書の機器定格(5.4.2項)に以下の明記する要求
 1)屋内、又は屋外使用
  2)高度
  3)温度
  4)相対湿度
  5)主電源電圧変動
  6)過電圧カテゴリ(プラグ接続機器は除く)
  7)湿った場所可否(該当する場合)
 8)意図する環境の汚染度
  e)IEC 60529に従って侵入保護に対する定格を持つ機器に対して、11.6.1で要求される情報
(8) 文書の機器の配置(5.4.3項):第一段落を以下に置換え
  ・文書には,設置の説明及び特定の委託事項の説明, 及び, 安全に必要な場合, 機器の不適切な設置又は機器の委託事項の作業中に, 又はそれらの結果として, 生じ得るハザードに対する警告を含めなければならない。
  該当する場合は, そのような情報には次のa)~g)を含める。
  ・f)特別な外部供給(サービス)、例えば、気体または冷却液の最高、及び最低の温度、圧力又は流量に対する要求事項及び安全特性
(9) 文書の機器の配置(5.4.5項):第一段落を以下に置換え
  ・機器を安全に保守,検査及び試験できるように, 並びに, 保守, 検査及び試験手順の終了後に引き続き機器の安全性を確保するために,責任団体に十分に詳細な説明書を記載しなければならない。
(10) 「接触可能部分の限度値」通常時の電圧レベル:(6.3.1項a))のレベル値の変更
  a)交流電圧レベルは,実効値30V,ピーク値42.4V,及び直流電圧レベルは60Vである。湿った場所での使用を意図する機器に対する交流電圧レベルは,実効値16V,ピーク値22.6 V,及び直流電圧レベルは35Vである。
(11) 「接触可能部分の限度値」単一故障時の電圧レベル値:(6.3.2項a))の変更
  a)交流電圧レベルは,実効値50V,ピーク値70V,及び直流電圧レベルは120Vである。湿った場所での使用を意図する機器に対する交流電圧レベルは,実効値33V,ピーク値46.7V,及び直流電圧レベルは70Vである。
 ・絶縁要件(6.7)は一部追記された。表6の一部数値の変更
(12)  より線導体用の端子(6.6.4項):第一段落とその適合性記述文を, 次に置き換え
 ・6.6.4 より線導体用の端子:第一段落とその適合性記述文を, 次に置き換え
  ・設置, 保守又は機器の作動中に接続することを意図する, より線導体用の端子は, より線の素線が端子から外れても, 極性が異なる危険な活電部分間, 又はそのような部分と他の接触可能な部分との間で, 偶発的に接触する可能性がないように配置又は遮蔽しなければならない。この要求事項は, 製造業者の施設でだけ行われる接続には適用しない。
  ・適合性は, より線導体を十分に挿入した後に, 検査によって確認する。
   a) 機器製造業者が指定するように, 絶縁体を最大の長さ除去して。または,
   b) 機器製造業者による仕様が示されていない場合には,絶縁体を長さ8 mm除去して。
   より線の素線1本を自由に動くようにして, 絶縁体を裂いたり鋭角にしたりせずに, 全ての可能な方向に曲げても, 自由なより線は, 異なる極性の部分又は他の接触可能な部分に接触してはならない。
(13) 沿面距離(6.7.1.3項 ):最後の段落の直前に, 次の段落を追加(明確化)
・沿面距離は, 異なる材料の及び/又は異なる汚染度がある幾つかの部分に分かれてもよい。その場合, 沿面距離の一つの部分が全電圧に耐えるような寸法, 又は, 合計の沿面距離が, 最低のCTIであり, かつ, 最大の汚染度を有する材料に応じる寸法になる
(14)  回路のタイプによる絶縁要求事項(6.7.1.5項)に以下が参考情報を追記
・注記4 主電源に対して想定される過渡過電圧レベルは, IEC 60364-4-44: 2007/AMD1:2015の表443.2における機器に要求される定格インパルス電圧に等しい。
(15)  固体絶縁(6.7.2.2)の 一般(6.7.2.2.1項)適合性記述文を以下に置換え
・適合性は, 検査, 及び表5の1分間の該当する試験電圧を用いた6.8.3.1の交流電圧試験縁(6.7.2.2.4 )の適合性記述文を以下に置換え
・適合性は, 表5の強化絶縁に対する1分間の該当する試験電圧を用いて, 三つの層のうちの二つに印加する6.8.3.1の交流電圧試験, 又は6.8.3.2の直流電圧試験によって確認する。 
(16) 電圧試験の手順(6.8項)の 一般(6.8.1):第5段落の後に, 次を追加し、明確化

・機器内の空間距離を検証するとき, 規定の電圧がその空間距離にかかることを確証することが必要である。試験すべき絶縁と並列にある保護インピーダンス, インピーダンスと電圧制限デバイスとを外してよい。 
(17) AC電圧試験(6.8.3.1項):第一段落を以下に置換え
・電圧試験器は, 試験中は継続して試験電圧を維持できる安定化した出力を出さなければならない。試験電圧の波形は,実質的に正弦波でなければならない。この要求事項は, ピーク電圧と実効値との比が√2±(√2×0.03)であれば満たしている。交流電圧試験は, 定格主電源周波数で行うが, 50 Hzと60 Hzを含む主電源周波数を定格とする機器に対しては, 50Hz又は60 Hzのいずれかの試験で十分である。
(18)  1分間直流電圧試験(6.8.3.2項):タイトル、第2段落を以下に置換え
・直流電圧試験(6.8.3.2)
・直流試験電圧は, 0 Vから規定電圧まで5秒以内に均等に上昇させ, 規定時間以上その値に維持する。
(19) スイッチ及び遮断器(6.11.4.2項):第1段落を以下に置換え
・「断路器として使用する遮断器」はIEC 60947-2の該当要求に適合し、用途に適したものでなければならない。
・「断路器として使用するスイッチ」はIEC 60947-3の該当要求に適合し、用途に適したものでなければならない。
(20) スイッチ及び遮断器(6.11.4.2項):第2段落を以下に置換え
・開放デバイスが一つ(一つのスイッチ又は一つの回路遮断器)だけの場合で, その記号がスイッチ又は回路遮断器上に又は隣接して表示されている場合には, 表1の番号9の記号( I )及び表1の番号10の記号(O)で十分である。
(21) 力及び圧力の制限(7.3.4)の変更
・規定する物理的レベルは,危険であるとはみなさない。
 それらは,接触力,接触持続時間及び接触領域の組合せに基づく。正常状態及び単一故障状態において,次のレベルを満たさなければならない。
 許容できる継続的な接触圧力は,50N/cm2以下とする。ただし,力は,150 N以下とする。
 許容できる一時的な力は,3 cm2以上の身体接触領域に対して0.75秒以下で250N以下とする。
・適合性は,検査によって,及び疑わしい場合は,測定によって確認する。
   指の幅は1.2cm、他の体部分の幅は5.0cmよしと考慮する。
   その接触面積は移動部分の幅、移動部分の接触断面積によって決定する。
   (例)0.9mm幅で移動部分に接触できる。その箇所が連続的に40Nの力である場合、その接触圧力は以下で計算する。
     面積=1.2cm×0.09cm=0.108cm2
     圧力=40N/0.108cm2=370N/cm2
     圧力は許容値を超過しているが、力は超えていない。
     この場合は、この移動部分は危険と考えられる。
(22) 安定性(7.4):第3段落を以下に置換え、及び注記2を削除
・各キャスタ及び各支持用脚は, その通常の負荷以上の負荷を支持する定格でなければならないか, 又は次のd)若しくはe)によって, そのキャスタ及び支持用脚を試験しなければならない。
・注記2「少なくとも4倍」の負荷定格を削除。
(23) 過電流保護(9.6.1項)の適合確認の変更
・適合性は,検査,測定によって確認する。固体絶縁は,6.8.3.1項のAC電圧試験、又は6.8.3.2のDC電圧試験(湿度前処理なしで)によりチェックする。
・表5のラインとニュトラル間基礎絶縁に対する該当する試験電圧を用いた1分間の電圧試験によって確認する。
・電圧試験中は,14.1の要求事項を満たすEMC用のコンデンサを取り外してもよい。
(24) 機器の温度限度及び耐熱性(10項)の一般(10.4.1項)の第2段落の後に以下を追加
・代わりに, これがより不利な状態を象徴する場合, その機器の定格周囲温度範囲内の最も不利な周囲温度で,温度測定を行う。試験周囲温度を実現する方法に起因する誤差(例えば, 試験を環境槽内で実施する場合, 適切な防止材又は外装が, 及び強制空気循環が, 機器の外面を冷やすであろう)を排除するための手段を採る。
(25) 侵入保護等級付き定格の機器(IPコード)(11.6項):大幅置換え
  ・項目名の変更:旧(特別に保護された機器) → 新(IPコード)
  ・11.6.1項(一般)
    IPコードをIEC60529に基づき、定格として、確認が必要。
  ・11.6.2項(試験の条件)
  ・11.6.3項(埃を含む個体に対する保護)
  ・11.6.4項(水の対する保護)
(26) 高圧下での漏れ及び破断(11.7.2項)の大幅変更
  ・国家機関は、例えば圧力機器指令(2014/68/EU)に従って、安全が計算によって確定されることを許可することがある。
  ・試験圧力(Ptest)は図16の適用係数を掛けた最大使用圧力(Pmax)である。
  ・試験圧力を制限する可能性のある過圧安全装置は、試験中は無効にする。
(27) 光放射(12.3項)変更:タイトル変更、大幅変更
・項目名変更:旧(紫外線) → 新(光放射)
・以下を追記
  可視紫外線を放射する、ランプ、ランプシステム、又は発光ダイオードを含む赤外線は、危険を引き起こす可能性のある放射線の意図しない漏れを許さないものとする。
  安全であると見なされるか(表22)、条件付きで安全なソース(表23)は除きます。
  表22-光生物学的に安全と考えられるランプ、ランプシステム
表22-光生物学的に安全であるとみなされるランプ又はランプシステム

  表23- 条件付きで、安全と考えられるランプ、ランプシステム
表23-ある条件下で光生物学的に安全であるとみなされるランプ又はランプシステム
・IEC 62471のリスクグループ1,2,3と評価されたランプ、ランプシステムはIEC TR 62471-2によるラベル表示をしなけらばならない。ランプ、ランプシステムのサイズ、設計上、実用できない場合は、シンボル14は文書に含むべきである。
(28)遊離ガス及び物質、爆発及び爆縮に対する保護(13項)変更: 
・13.1 有毒及び有害なガス及び物質:最初の2つの段落を,次に置き換え
    機器は, 正常な状態及び単一故障状態で, 危険な量の危険な物質を発散してはならない。潜在的に危険な物質を発散する場合, 危害をもたらし得る量の物質に操作者を直接晒してはならない。
    機器の正常な動作が危険な物質の放出を要する場合, 及び, その放出を製造業者の指示に従って責任団体が管理する意図である場合には, そのような放出は危険な物質の放出であるとみなさない。
  注記:化学的曝露限度, 並びに, 取扱い及び廃棄規則は, 米国労働安全衛生局(OSHA)刊行物又は国家規制文書に見い出すことができる。地域, 国家又は地方規制も適用できる。
(29)コンポーネント及び組立部品(14.8項):タイトル変更、2つの段落、適合性記述文を置換え 
・過渡過電圧を制限するために用いる回路
・機器の一部を構成するあらゆる過電圧制限回路は, 生じ得る過渡過電圧類を制限するための適切な耐性がなければならない。
・適合性は, 次の試験によって確認する:複合インパルス発生器(IEC 61180-1参照)からの1分の間隔をおいた表21の該当するインパルス電圧で, 正極性5回及び負極性5回のインパルスを印加する。
 発生器は, 12 W(インピーダンスを上げる必要がある場合には, 抵抗器を直列に追加してもよい)の出力インピーダンス(ピーク開回路電圧をピーク短絡電流で除したもの)で, 1.2/50 μsの開回路電圧波形, 8/20 μsの短絡電流波形を発生する。正常な使用の状況下で回路が動作している間に, 主電源に重畳して, インパルスを印加する。主電源電圧は, 最大定格主電源電圧である。
  試験電圧は, 過電圧制限回路がある, 機器の主電源供給端子の各対間に印加する。過電圧制限回路の部品は, 他の材料をそれらの自己発火点まで着火又は加熱してはならない。過電圧制限回路は, そのインパルスを安全に抑制し, かつ, 試験後に適切に機能し続けなければならない。
 注記:ここに規定したインパルス電圧及び発生器の出力インピーダンスは, 過電圧カテゴリⅡを定格とする機器に適用する。過電圧カテゴリⅢ及びⅣを定格とする機器に対する適合性は, 箇条K.4に規定する。
(30)附属書D(絶縁要求事項を規定する部分):置換え、削除
・b)項 回路及び部分の下, 文字“R”に対する文を, 「R: 6.4.4の要求事項を満たすインピーダンス」に置換え
・図D.1 h)で, “6.6.1参照”を削除するを削除
(31)附属書G 、G.2.2 G.2.1のための静水圧試験の実施:最後の段落を, 次に置き換え
・圧力を“機器”にかけるべきことがこれらの試験手順に指定されている場合, 正常な使用において圧力を受ける機器のその部分に圧力をかけなければならない。
  圧力を“外側ケース”にかけるべきことがこれらの試験手順に指定されている場合, 加圧される機器の全て又は一部を囲うが, それ自体は正常な使用では圧力を受けることを意図していない,(加圧されない)あらゆるケース, カバー, 外装又はハウジングに圧力をかけなければならない。
(32)附属書H 汚染に対する保護のための絶縁保護コーティングの必要条件:表H.1 試験方法の変更
・IEC 60664-3の改正Ed. 3 (2016)の内容に合わせ試験方法を変更した。
   1. 耐引っ掻き性試験(スクラッチテスト)を削除。
   2. 急速温度変化試験。試験サイクルを5回から50回へ変更。
(33)附属書I 一般的な主電源供給システムでのライン対中性点間電圧:最初の段落の後に,追記
・表I.1は, IEC 60664-1の表B.1に由来する。それは, 固有の制御(IEC 60664-1の箇条4.3参照)の主電源供給システムに適用できる。
(34)附属書K 6.7で対象となっていない絶縁についての要求事項 K.1 主電源回路に対する要求事項:タイトル変更、適法及び適合性の記述の置換え
  ・K.1 主電源回路に対する絶縁
  ・K.1.2 主電源回路に対する空間距離及び沿面距離
  ・適合性は, 検査, 測定で確認する。疑義ある場合, 要求される空間距離に対する表K.16の該当する試験電圧を用いて, 6.8.3.3のインパルス電圧試験又は5秒間以上の6.8.3.1の交流試験によって確認する。試験中, いかなる空間距離のフラッシュオーバも起きてはならない。  ・K.3.2 空間距離の計算:適合性記述文の前に, 次の注記を追加
   注記1: 主電源に接続された変圧器の一次巻線と二次巻線との間の絶縁は, 一次側からの過渡事象の間に, 伝達されるコモンモード電圧成分, 及び絶縁間の動作電圧によってストレスを受ける。動作電圧の最大ピーク値UWと共に, 加算される過渡過電圧として表わされるこのコモンモード電圧は, 最大インパルス電圧Umを形成する。
   例えば, 実効値230 Vのライン対中性点電圧で, ピーク値2 500 Vのインパルス耐電圧の主電源回路に対して, コモンモード電圧(加わる過渡過電圧)は, 次のように計算する。
    UW = 1.414 × 230 V rms. = 325 VPEAK
    Ut = 2 500 VPEAK-325 VPEAK = 2 175 VPEAK


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LVD指令の試験前に目視チェックを行うことはコスト削減になります

*CEマーキングのLVD指令の試験前に、目視レベルのチェックを行って、後戻りをなくしましょう。


・LVD試験の仕方は、①試験器を使用して試験すること、②目視検査の2つです。
図.LVD試験の仕方


*まず、自社において、①目視検査を行ってから、次に②試験器による試験をすることが後戻りをなくす方法です。
・この目視検査を行わないで、受験の場合は、試験器による試験後に、目視検査でNGの場合、試験器による試験を再受験になる可能性が高いからです。
・この目視検査は、試験器がなくても、自社で出来ることなので、規格内容が理解できれば、容易に実行できます


*従って、対象製品に該当する規格で、自社による目視チェックを行い、「再試験費用や試験期間延長」を防止しましょう。


*下図はLVD試験での自己試験の流れです。
図.LVD試験での自己試験の流れ


*参考:LVD指令の目視チェック(一部)
表.LVD指令の目視検査

CEマーキングの電気安全試験を自社で行うメリットは何か!

*CEマーキングでの電気安全試験と温度試験は自社で行うのが一番です。


・感電マーク感電マーク・高温マーク高温危険マーク


*どんな効果があるのか。


①「外部民間試験所費用」が少なくなる。
②試験所の混雑状況に左右されないので、「開発スケージュール」を守れる。
③「製品安全試験を実践で理解できる。」
④「エンジニアの安全技術力」が向上し、「フイールドでの製品品質」が安定する。
⑤「認定試験所で受験しなければならない第三者試験」の場合でも、社内で事前にチェックしているので、確実にパスする。

⑥「次の製品開発」に役立つ、など


*LVD指令での製品規格の電気安全試験にはどんな試験項目があるか。


・下表は主な製品の電気安全試験のIEC規格項目です。
表.主な製品の電気安全試験のIEC規格項目


*どのようにすれば、電気安全試験と温度試験ができるのか。(手順)


・難しくありません。
(1)自社で電気安全試験器を揃える。又は、レンタル、利用料が安い公立試験所の設備を利用する。

(2)試験方法を専門家から学ぶ
(3)テストレポートのテンプレートを作成し、それに各種試験データを入力する。
以上です。


*ご参考:やすく安全試験を実施する!


・電気安全試験器(安定化電源、電力計、耐電圧試験器、漏れ電流試験機、保護導通試験器、絶縁抵抗試験器、温度試験器)はEMC試験設備と比べ、桁違いに安いものです。例えば、数百万:外部認定試験所費用の2回分程度です。
・ある企業では、都産技研等で、試験器の使用方法を習得し、都産技研試験器を機器利用や、自社では一部の試験器を揃えるなど、有効利用しています!


*「電気安全試験」を支援いたします!
・お気軽に「お問合せ」から、ご連絡下さい。

接地漏れ電流の正規な測定の仕方について!

*製品安全規格の漏れ電流試験は「①接触電流と②接地漏れ電流」の両方があります。
これらの漏れ電流の国際規格はIEC60990です。

・特に、②の「接地漏れ電流」の測定が、計測器によっては、このIEC規格の規定に合致していないようですので、注意が必要です。


正式な名称は下記です。
・接地漏れ電流:IEC規格では保護伝導電流( protective conductor current)
・接触電流(touch current)


IEC60990規格の英文名称
・IEC 60990:2016(Methods of measurement of touch current and protective conductor current)


 

*IEC60990では下のように記載されている。
・保護導体電流を測定は、保護接地線に低抵抗(IEC60990:0.5Ω)の電流計をシリーズに入れて、電流を測定します。
・図.接地漏れ電流の測定

図.接地漏れ電流の測定

・尚、絶縁トランスは、測定系電路と測定系以外の電路を分離して、測定系以外の系統で発生している漏れ電流を除去するためのものです。


*「お問合せ


*安土城の石段
安土城の石段
天守閣跡
天守閣跡の説明板

 

製品安全規格の漏れ電流の種類と試験方法について!

*漏れ電流試験は「感電の危険性」に関係する重要な試験項目のひとつです。
・このため、ほとんどの安全規格で、この試験を実施します。


*漏れ電流とは何か


・漏れ電流は、主電源で動作する電気機器で発生し、機器に接触する人(ユーザー、オペレーター、サービスプロバイダーなど)の「感電の危険」となる。
・保護導体電流(接地漏れ電流)またはタッチ電流は、内部の危険電源部とアクセス可能な部位間の不十分な絶縁、または不適切なグランディングのために、人が機器へのアクセスできる部分に存在する漏れ電流のこと。


*漏れ電流の種類
・次のように①、②、③、④に4つに分類される。


①保護導体電流(接地漏れ電流):
・IEC 60601-1規格で、「主電源部品から絶縁体を通ってまたは絶縁体を横切って保護接地導体または機能接地接続線に流れる電流」として定義されている。
②タッチ電流(接触電流)、またはエンクロージャの漏れ電流:
・IEC 60990規格で「設置または機器の1つまたは複数のアクセス可能な部分に触れるときの人体または動物の身体を通る電流」として定義されている。
③患者漏れ電流(医療用電気機器規格のみ)
・IEC 60601-1規格で「患者接続から患者を経由してアースに流れる電流」として定義されている。
④患者測定電流(医療用電気機器規格のみ)
・IEC 60601-1規格で正常な使用時に,患者を介してある患者接続部と他のあらゆる患者接続部との間に流す生理的な効果を意図しない電流として定義されている。


*製品安全規格により、漏れ電流の項目、限度値、試験法が異なる。
・下表にようにさまざまです。従って、各規格をよく理解する必要があります。
表.製品安全規格と漏れ電流


 

*下のような場合は、漏れ電流の値が大きくなる可能性がある。


・不適切な接地または機器の設置、・機器の絶縁材の経年劣化および劣化、破損した部品)。
・許容値よりも大きい漏れ電流が発生している機器は、人体に感電の危険をもたらすので、許容値以下に低減して、感電のリスクを低減する必要がある。


*漏れ電流の存在によって発生する感電から使用者を保護の状態を確認するために、試験を行います。


・この試験では、特定のテスターを使用してタッチ電流/保護接地電流/漏れ電流試験を実行します。
・漏れ電流の試験は、「定格電圧の上限と、最高周波数」で試験する必要があります。


*漏れ電流の増加の原因となる部品


・アースおよびタッチリーク電流の増加に直接関係する部品(RFフィルターなど)があります。
・これらの部品を選択する場合、それらの部品の漏れ電流定格は注意して選択する必要がある。


*参考文献
・IEC 60990:2016(タッチ電流と保護導体電流の測定方法)


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