デジタルマルチメータ,オシロスコープなどの感受性の高い計測器のEMC規格は何か!

*デジタルマルチメータ,オシロスコープなどの感受性の高い計測を行う計測器のEMC規格は、IEC 61326-2-1である。


デジタルマルチメータ
・機器の例としては、オシロスコープ、ロジックアナライザ、スペクトラムアナライザ、ネットワークアナライザ、アナログ機器、デジタルマルチメータ(DMM)、ボードテストシステムなどが該当する。

・製造者が使用上・機能上からEMC保護ができない試験・測定回路(機器の内部または外部,あるいはその両方)を有する機器が該当する。
・本規格(IEC 61326-2-1)は,IEC 61326-1(共通規格)より、これらの機器の固有な試験構成,運用条件,および性能基準を規定している。
・EMC指令ではEN 61326-2-1が該当する。


*本規格の個別の要求内容は以下です。


1.  5.2.4.101項: 試験・計測用のI/Oポート
  ①試験および測定用の入力ポートは、製品のエミッションおよびイミュニティ性能の測定に適さない動作状態になる場合を除き、キャップおよびショートしなければならない。
・入力信号が必要な場合は、メーカーが指定するテストリードやプローブを用いて適切な入力信号を印加すること。
・EUT の本質的な機能を評価するために必要とされない試験および測定出力ポートは、キャップおよび/ま たは終端処理されるものとする。
②静電気放電は、シールドされたポートまたはケーブル・コネクタの内部ピンではなく、「ハウジング・シールド に印加すること」とする。
・この静電気試験の例:以下のようなもの。
 BNC、D-subminiature、IEEE 488(IEC 60488)、R8232およびIEEE 1284-B(パラレルプリンタポート)など。
③注1

・試験中に入力信号を試験・計測ポートに印加するために使用しないプローブやテストリードは、接続する必要はない。
(このようなテストリードは、アプリケーションによって大きく異なり、また、カバーが取り外された機器に接続されることが多く、内部のテストポイントにアクセスするために様々な段階で分解されることがあります。接続されたテストリードは、特定の用途において、エミッションを増加させたり、イミュニティを低下させたりする可能性があるため。)
④注2
キャップとは、局所的にスクリーンやシールドで覆うこと。

2. 5.3.101項: 動作条件
・(1)バッテリとAC電源の両方のオプションが利用可能な場合,両方の動作モードに適合すること。

3. 5.3.102項: オシロスコープ
オシロスコープのポートは、最大掃引速度、最大感度、連続取得モードに設定しなければならない。ただし、他のモードでは通常の用途では最悪のエミッションまたはイミュニティの結果となることが知られている場合はこの限りではない。
4. 5.3.103項: ロジックアナライザー
・ロジックアナライザは、エミッション測定時にはデータ解析モードに設定し、イミュニティ試験時には連続データ収集モードに設定しなければならない。
・ただし、他のモードでは通常のアプリケーションにおいて最悪のエミッションまたはイミュニティの結果が得られることが知られている場合はこの限りではない。
5. 5.3.104項: デジタルマルチメータ(DMM)
・代表的な設定としては、ピーク検出、最大感度(通常はオートレンジがあればそれでよい)、連続取得モードなどがある。
6. 5.3.105項: その他の機器
・5.3.102~5.3.104に記載されていない同様な仕様の機器については、以下の理念を適用するものとする。
・機器のすべての機能ではなく、最も典型的な機能のみを試験できることを考慮して、代表的な動作モードを 選択すること。
・通常の使用における推定ワーストケースの動作モードを選択すること。
7. 6.4.101項: 過渡的な電磁現象を伴う試験

・IEC 61326-1 の表 1、2 又は 3 の性能基準 B に割り当てられた過渡的な電磁現象を伴う試験の間、 EUT は機能又は性能の一時的な劣化又は喪失があるかもしれないが、それは自己回復すること。
・10 秒を超える自己回復時間は,製造者がユーザのために機器の文書で規定しなければならない。
・トリガー機能は評価する必要はない。
・実際の動作状態の変化や保存データの損失は許されない。
8. 9.101項:  使用上の注意の追加
・製造業者は,テストリード及び/又はテストプローブを接続した場合,その機器がこの規格のイミュ ニティ要件を満たさない可能性があるという情報を提供し,妨害の影響を最小化するためにテストリード及び/ 又はテストプローブをどのように使用するかの指針を追加しなればならない。


*「ESTCJ」では本規格(IEC61326-2-1)や計測・制御・試験室機器のEMC評価の支援などを行っております。
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確実にCEマーキングを取得するためのEMC指令の整合規格の選定はどのように行う!

EMC指令において、確実に対象製品の該当する整合規格を調べる方法について解説します。


* EN規格の基本規格であるIEC規格でのEMC分類について


国際電気委員会(IEC)では、EMC規格は下表のように①基本規格、②共通規格、③製品群規格、④製品規格の4つに分類されています。

① 基本規格 用語、電磁環境分類、EMCレベルの仕様、電磁エミッション(電磁妨害)・イミュニティ(ノイズ耐性)の一般的要求事項、共通的測定・試験法などを規定
② 共通規格 住宅、商業、工業等の使用環境において、全ての製品に対して、その環境を基準とした、電磁エミッション(電磁妨害)・イミュニティ(ノイズ耐性)に関する試験法、及び規定値を規定
③ 製品群規格 情報技術装置、家電機器等の特定の製品群に関して、製品群固有の試験法及び限度値を規定
④ 製品規格 特定の製品に関する試験法及び限度値を規定

* EMC指令の整合規規格リストに記載されている規格は、②共通規格、③製品群規格、④製品規格の3つです。


・該当する規格を選定する時の、優先順位は下のような順位です。
 ④製品規格>③製品群規格>②共通規格
・①の基本規格は、前記②、③、④の規格中に引用される規格のため、整合リストには記載されません。


*EMC整合規格の選定を下の手順で行う。


整合規格の選択法
図.EMC規格を調べる方法の手順

(1)EMC整合規格リストを入手
 ・EUの公式WEBサイトから入手する。→便利リンクのページ(3.EU指令の整合規格リスト一覧)から。
(2)製品に該当する規格番号を調べる。
 ・対象製品の一般名称から、規格の表題から該当番号を調べる。
(3)IEC規格等のScopeで対象範囲を確認
 ・IEC、又はBSIのWEBサイトで、上記(2)で調べた番号の「規格のScope(適用範囲)で、対象範囲に該当するか」を、確認する。


*関連記事
整合規格リストはどのようして入手するのか


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CEマーキングのEMC試験前に行う重要なことはEMCテストプランです!

*CEマーキングのEMC指令のEMC試験の前に、行うべき重要なことはEMCテストプランの作成です。


図.EMCテストプランの作成の分かれ道EMCテストプランを作成せずに、いきなりEMC試験を行うと、後戻りが発生します
試験費用増加だけでなく、EMC試験のやり直しのよるEMC試験期間の延長など、重大なトラブルが発生になりかねません
・従って、EMCテストプランはEMC試験前に作成して、トラブルの防止をしなければなりません。
・EN61326-1(計測・制御・試験室機器のEMC)では規格要求になっています。


*EMCテストプランを作成しない場合の不具合の例


・対象製品に該当する規格を間違う。
・規格内のグループ、又はクラス分類が違う。
・試験時のシステム構成が間違っている。
・周辺装置との信号ケーブルが接続されず、単体測定になっている。
・動作モードが電源ONのみで試験している。など


*EMCテストプランの要求内容は以下です


1.試験時のEUTと周辺機器の構成


(1)該当EMC規格を正しく選定する。更に、規格のグループとクラスを正しく選定する。
(2)製造業者が指定する代表的な組合せとする。

(3)EUTに附属している全ての機器,ラック,モジュール,ボードなどをEMC試験計画に記載する。
(4)ソフトウェア:バージョンを記載する。
(5)EUTの組合せ EUTの内部及び外部の構成が変化する場合には,形式試験は,通常の使用状態の一つ以上の代表的な構成で試験する。
(6)各種類のモジュールは,1回以上,試験を行う。
 ・これらの組合せの選択理由をEMC試験計画に記載する。

 ・ I/Oポートが複数あり,これらの全てが同一種類で,他のケーブルを接続することによって試験結果が大きく影響しないことを示すことができる場合は,その一つのポートにケーブルを接続するだけでもよい。
(7)種々の周辺装置を使用する場合には,実際の動作状態を模擬するために,それぞれの種類に対して一つ以上の周辺装置を選択して試験する。
(8)周辺装置は,模擬の装置でもよい。

(9)接続ケーブル及び接地接続は,製品の仕様に従って接続する。追加の接地接続は行わないこと
*上記を考慮したEMC試験時の構成図を作成する。又、EUT、周辺機器、接続ケーブルの表を作成して、EMC試験時の状態を明確にする。


2.試験中のEUTの動作条件


(1)代表的な動作モードは,EUTの全機能ではなく,最も典型的な機能だけを試験する
(2)動作モードは,通常の用途で推定できる最悪条件を選択する。
(3)試験中のEUTのソフトウェアの様々な動作モードを模擬するために使用するソフトウェアは,文書化する。


3.イミュニティ試験時の動作モード及び試験に対する機能性能判定条件


・それぞれの動作モード及び試験に対する機能性能は,可能な限り定量的に規定し、文書化する。


*スムーズにEMC試験をパスするための流れ
・下図のごとく、1.EMCテストプラン作成がまず、第一番です。
スムーズにEMC試験をパスするための流れ


 

EMC指令に適合するために基本的なEMC対策は何か!

*EMC指令に適合するためには、製品の設計段階でEMC対策を盛り込むことが必須です。
・しかしながら、WEBなどの情報は、EMC対策に関するバラバラな情報が多く、まとめたものが少ない。そこで、下に基本的な対策をまとめました。


*EMC対策設計の重要なポイントを表に示します。


・EMC対策は下表のように、筐体、構造、回路構成、回路、基板、部品選択など、各部での対策が必要です。

表.EMC対策設計のポイント
表.EMC対策設計のポイント


 

EMC試験の費用の増大を防ぐため、受験前の適合性評価が必須!

*CEマーキング取得において、EMC、LVD、RoHSの内、一番、試験費用が掛かるのが、EMC試験の費用です。


*EMC指令のEMC試験費用はどの程度、掛かかるのか。(初回の平均150万円)


・民間のEMC試験所の場合では、1日の電波暗室やシールドルームの費用は、試験所又は規模により、20~35万円/日程度は掛かります。
・EMC指令のEMC試験では、試験項目(電磁妨害&耐ノイズ性)が多いため(6項目以上)、一般に、試験日数は3~5日掛かかります。
・更に、EMCテストレポート代(15万以上)も別途、必要です。
・上記を合計すると、合計金額は少なくても、100万前後、多い場合は200万以上も掛かかります。民間認定試験場では平均150万程度のようです。
・尚、不合格の場合は再EMC試験による費用が発生し、増大につながります。
・海外の試験所費用では、試験正確性レベルはまちまちで、日本ほどでないにしても、上記の1/3~1/2程度の模様です。


従って、EMC試験費用を最小限に抑えるためには、「1回目の全試験で合格する」こと即ち、再試験をしないこと!
困った顔


 ⬇
*EMC試験費用の増大のリスクを下げるためには、受験前EMC適合性評価とその結果のノイズ対策が必須です!


*以下の手順を推奨します!
*本番試験前に、本当にEMCを実践し、対策ができる人(実践的専門家)による、①トラブルの確率が高い試験項目を選定・評価をして、②適合性を確認し、③不適合の場合にはノイズ対策を行い、本番受験することです。

・尚、評論家・理論メインのコンサルでは、実践はできません。当然ながら、実践の経験のある人が適任です。
・多少の費用は発生しますが、EMCノイズ対策でよく陥る「再試験の繰り返し」(EMC費用の増大)を防ぐことが、できる。


*受験前のEMC適合性評価のその他の効果
・「追加試験費用の発生防止」だけでなく、EMCノイズ対策が自由に試すことができ、「対策技術の習得」に役立ちます。
・その結果、次の製品開発に役立ちます!


参考:EMC指令では第三者試験所又はEU・EMC試験所による、試験は要求しておらず、自社EMC設備等での試験でも、OKです
・従って、部分的でも、自社試験所、または各都道府県のEMC試験所を利用して、試験費用を抑制することができる。


 

EMC指令の必須要求と適合評価手順はどのようなことか!

*EMC指令は「どんな製品」に適用されるのか


EMC指令は欧州(EU)指令(指令は法律)”の一つです。
・従って、このEMC指令は、EU域内で販売される電気・電子機器の全ての製品に適用されます。
・EMCはElectromagnetic Compatibilityの略で、日本では、電磁両立性、または電磁環境適合性と呼ばれています。
・現在のEMC指令は、2014年3月29日から「Directive 2014/30/EU」 になっています。


*EMC指令の「必須要求事項」は何か


・EMC指令の必須要求事項は、Annex I(付属書 I)に記載されています。
(1)必須要求事項
・機器は、次の①、②を保証するように、最新技術を考慮して設計および製造すること。
エミッション抑制: 発生する電磁妨害が、無線および通信機器または他の機器が意図する動作を妨げるレベルを超えないこと。 (電磁妨害抑制)
図.エミッション

イミュニティ: 機器の意図した使用において、予期される電磁妨害に対する耐性のレベルを有すること。
又、その意図した使用で、許容できない性能劣化なしに動作すること。(耐ノイズのこと)
図.イミュニティ

(2)固定設備の特定要求事項
・固定設備は、適切な技術的な手法を採用し、その機器の使用目的に関する条件を検討して、上記(1)の必須要求事項を満たすように設置する必要がある。


*EMC指令の適合性評価の手順はどんな流れか


・一般的に下の様な流れで、行います。
(1)対象製品に該当するEMC整合規格を選定する
(2)EMC整合規格による試験を実施

(3)EMCテストレポートを作成
(4)EMC技術文書を作成
(5)自社内部管理(モジュール)で審査
(6)EMC適合宣言書を作成
(7)CEマーキング
図、EMC指令の適合評価の流れ

EMC指令の適合評価の手順


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CEマーキング概要と認証方法の違いについて


*「お問合せ

CEマーキングのEMC,LVD,RED,RoHSの技術文書の作成について!

*CEマーキングの技術文書の作成について解説します。


*CEマーキングを行うには、それぞれの指令のおいて、必ず、技術文書を作成し、10年保管することが義務(必須)になっている。
 技術文書のファイル
 写真. 技術文書ファイルの外観


*技術文書は欧州当局から、トラブル等があった場合に即、提出しなければならない製品の指令適合のエビデンス文書です。


*ポイントは以下です。
・技術文書の作成は義務である。
・出荷後、10年保管しなけらばならない
・欧州の市場監視当局から要求があった場合、速やかに提出できるようにしなければならない

・作成するべき項目は、それぞれの指令内に記載されている
・決まった具体的内容の記述はないので、独自に項目の具体的な内容を考えて、作成しなければならない。
・それぞれの指令によって、共通的な項目とその指令の特有な項目がある。
尚、EMC指令またはRED指令でNBを関与させる場合は、EU型式検査の申請時にNBに技術文書を提出し、審査を受ける必要がある。


(1) EMC指令の技術文書について


・EMC指令の付属書Ⅱ、3(技術文書)項に要求事項が記載されています。


・EMC指令の技術文書に最小限、含まなければならない構成要素は(a)~(f)です。
(
a)装置の一般的な説明
(b)設計コンセプト、及び製造図面、並びに部品、サブアセンブリー、回路等の概要図
(c)それらの図面、スキーム、及び装置の操作を理解するために必要な説明
(d)適用した全部または一部EMC整合規格のリスト、更に整合規格を適用していない場合は、適用した他のEMC技術仕様のリストによる、EMC指令の要求事項を満たすために採用した解決策について
(e)EMC設計の結果、実施した検討結果
(f)EMCテストレポート
図.EMC指令の技術文書の構成
図.EMC指令の技術文書の構成


(2) LVD指令の技術文書について


・LVD指令の付属書Ⅲ、2(技術文書)項に要求事項が記載されています。


・LVD指令の技術文書に最小限、含まなければならない構成要素は(a)~(f)です。
(a)装置の一般的な説明
(b)設計コンセプト、及び製造図面、並びに部品、サブアセンブリー、回路等の概要図
(c)それらの図面、スキーム、及び装置の操作を理解するために必要な説明
(d)適用した全部または一部LVD整合規格のリスト、更に整合規格を適用していない場合は、適用した他のLVD技術仕様のリストによる、LVD指令の要求事項を満たすために採用した解決策について
(e)LVD設計計算の結果、実施した検討結果
(f)LVDテストレポート
図.LVD指令の技術文書の構成
図.LVD指令の技術文書の構成


*EMC指令とLVD指令の技術文書は((a)~(c)は同じです。
又、(d)~(f)はEMC面とLVD面の違いです。


(3) RED指令の技術文書について


・RED指令の付属書Ⅴ(技術文書の内容)に要求事項が記載されています。下の内容です。


・REDの技術文書に最小限、含まなければならない構成要素は(a)~(i)です。
(a)装置の一般的な説明と次を含む
 (ⅰ)外観形状、マーク、及びレイアウトを示す写真か、イラスト
 (ⅱ)RED適合に影響を与えるソフトウエア、またはファームウェアのバージョン
 (ⅲ)使用者情報、及び設置指示書
(b)設計コンセプト、及び製造図面、並びに部品、サブアセンブリー、回路等の概要図
(c)それらの図面、スキーム、及び装置の操作を理解するために必要な説明
(d)適用した全部または一部RED整合規格のリスト、更に整合規格を適用していない場合は、適用した他のRED技術仕様のリストによる、RED指令の要求事項を満たすために採用した解決策について
(e)EU適合宣言書のコピー
(f)EU型式検査を採用した場合は、関与したNBが発行したEU型式検査証明書とその付属書のコピー
(g)RED
設計計算の結果、実施した検討結果
(h)REDテストレポート
(i)第10条2項(1つのEU加盟国の無線スペクトラム使用に抵触しない)の要求に適合していること、及び梱包上に第10条10項の情報を含むか否かの説明
図.RED指令の技術文書の構成
図.RED指令の技術文書の構成


*RED指令の技術文書は(b)と(c)以外は異なるようです。


(4) RoHS指令の技術文書について


・RoHS指令の7条(b)にDecision No 768/2008/ECの附属書ⅡのモジュールAに従うことが記載されています。
・技術文書はRoHS整合規格であるRoHS指令の整合規格である「IEC EN63000(RoHS技術文書作成)」によります。


(a)装置の一般的な説明
(b)設計コンセプト、及び製造図面、並びに部品、サブアセンブリー、回路等の概要図
(c)それらの図面、スキーム、及び装置の操作を理解するために必要な説明
(d)RoHS製品カテゴリ、RoHS整合規格名 
(e)RoHS適合部品の選択についての自社評価手順の説明

(f)全部品のRoHS適合部品の一覧表(RoHSーBOM)
(g)適合エビデンス文書:全ての材料、部品、及び半完成品の「非含有証明書」、又は実施「RoHSテストレポート」等エビデンス文書


 

図.RoHS指令の技術文書の構成
RoHS指令の技術文書の構成


*関連記事
CEマーキングの自己認証の手順について


「各指令の技術文書の作成」をサポートします!
・お気軽に「お問合せ」から、ご連絡下さい。

整合規格における「現在適用の版」の調べ方(No.1):整合規格リストの入手方法!

*CEマーキングの「整合規格リスト」は、「欧州委員会のホームページ」から入手する。

・尚、「整合規格の見方」別ページをご覧ください。


*入手先はEUの”Harmonised Standards”ページ


(1)EU指令「整合規格」 のページに行く
・下のページは直接アクセスできますので、おすすめです。

Harmonised Standards(整合規格) のページ

(2)その他:間接的アクセス可能
European Commission (欧州委員会)のホームページ
Internal Market(EU内市場)ページ
Single Market Strategy(単一市場戦略)ページ
European Standards (欧州規格)の ページ


*Harmonised Standards(整合規格) のページからの入手手順


(1)Harmonised Standards(整合規格) のページに入る:
・上の(1)をクリックすると、下のようになる。
EUのHarmonised Standardsのページ
このページには、”各種のEU指令の名称”が表示されています。
(2)調べたい指令の整合規格ページへ行く。
・上図の(1)「Harmonised Standards」ページにおいて、目的の指令の名称(英文)をクリックする。例:低電圧指令(LVD)の場合は下図のLow Voltage(LVD)をクリックする。
Harmonised StandardsのLVDの箇所
(3)各指令の整合規格リストのページから整合規格リストを入手する。
・「LVD(低電圧指令)」で以下説明します。尚、EMC指令の整合規格も同様にできます。
①LVDの整合規格ページに入る:下図のようなものです。
LVDの整合規格のページ
②整合規格リストのダウンロードする。
・ダウンロードの箇所は下図の”各国語(略号)をクリックする”と、規格リスト(pfd)をダウンロードできます。
・尚、英語版は”en”です。
LVDの整合規格のページのOffical Journal箇所
例:LVD整合規格リストの英文(一部:トップ部分)
LVDの整合規格リスト
以上で、整合規格リストが入手できます。


*「CEマーキング取得」に関するご相談は
お気軽に「お問合せ」から、ご連絡下さい。


*関連記事.
整合規格リストの見方.

EMC指令におけるリスク分析とリスクアセンスメントはどのようにするのか!

*EMC指令で要求しているリスク分析とリスクアセンスメントがどの様なことか!


(1)EMC指令の「リスク分析とリスクアセンスメント」について
・EMC指令の「リスク分析とリスクアセンスメント」については、「EMC指令ガイドの4.2項」に解説されている。
・EMC指令でのリスクはEMC指令の付属書Ⅰ(EMC必須要求事項)に記載の(a)EMI(電磁妨害波)、及び(b)耐ノイズ性(イミュニティ)のことです。


(2)EMC指令のリスクアセスメントの手順は下図のようになります。

EMC指令のリスクアセスメントの手順


*EMC指令の「EMC評価」について
・EMC指令のEMC評価については「EMC指令ガイドの4.3項」で解説されている。
・「EMC評価(試験)」は使用するEMC環境を考慮し、実施しなければならない。

・この評価に際して、強制的に、第三者機関の関与は必要としません。従って、自社で行います。


*宮崎 青島
写真:宮崎 青島の

LVD指令・EMC指令の技術文書とEU適合宣言書の作成について!

*CEマーキングにおいては、製造企業は必ず、次の2つの文書を作り、10年間保管しなければなりません。


(1)技術文書(Technical Documentation)
(2)EU適合宣言書(EU DECLARATION OF CONFORMITY )


(1)技術文書の記載内容について
・低電圧指令、又はEMC指令の附属書に下表のような要求事項があります。
表.技術文書の記載内容


(2)EU適合宣言書
・このEU適合宣言書も各指令の附属書に記載項目が列記されています。
・下はEMC指令の記載内容です。
・尚、EMC,LVD、RoHSの適合を一つにまとめて宣言します。

(EMC指令附属書の記載)
表題:EU declaration of conformity (No Xxxx) 注(1)
1. Apparatus model/Product (product, type, batch or serial number):
2. Name and address of the manufacturer or his authorised representative:
3. This declaration of conformity is issued under the sole responsibility of the manufacturer.
4. Object of the declaration (identification of apparatus allowing traceability; it may include a colour image of sufficient clarity where necessary for the identification of the apparatus):
5. The object of the declaration described above is in conformity with the relevant Union harmonisation legislation:
6. References to the relevant harmonised standards used, including the date of the standard, or references to the other technical specifications, including the date of the specification, in relation to which conformity is declared:
7. Where applicable, the notified body … (name, number) performed … (description of intervention) and issued the certificate:
8. Additional information:
・Signed for and on behalf of:
・(place and date of issue):
・(name, function) (signature):
注:(1) It is optional for the manufacturer to assign a number to the declaration of conformity.


(3)EU適合宣言書(DoC)の例
・EUの適合宣言書の例を下図に示します。
・尚、下の例はEMC、LVD、RoHSの適合をまとめたものです。
EU適合宣言の様式の例


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