MDR(クラスⅠ医療機器)適合手順と市販後管理!NB審査不要機器の場合

*EUの医療機器規制(MDR): EU 2017 / 745において、クラスⅠ機器の「MDR適合の手順、および市販後管理」を下図に示す。


MDR クラスⅠーNB審査不要
・図.MDR 適用のながれ(クラスⅠ機器)
1.クラスⅠの医療機器であることを確認

・MDRの付属書VIII(クラス分類の定義)により、この製品がクラスI機器として正しく分類されていることを確認する。
⇒ANNEX VIII of MDR (EU) 2017/745 
2.クラスⅠ機器でも、2つに分かれる。
・a)「通知機関(NB)審査要のクラスⅠ機器」、及び b)「NB審査不要のクラスⅠ機器」の2つである。
a) 医療機器は通知機関(NB)の審査を要する機器
 以下の「①、②、③のクラスⅠ機器」です。それ以外は、NB審査不要の機器です。
(付属書IXの第I章と第III章、または付属書XIのパートAに記載)

  -① 滅菌機器Is(コード:MDS 1005)
  -② 手術器具Ir(コード:MDS 1006)
  -③測定機能付き機器Im(コードMDS 1010)
  – MDCG 2019-14でコードを確認
・NBの審査要は上記①~③のクラスⅠ機器の場合は、NBの審査/認可が必須である。
b)「NB審査不要のクラスⅠ機器」
  (例:矯正メガネとフレーム、手動車いす)
・備考1:他の指令も該当するかを確認を要します。(EMC、RoHS,RED、MDなど)
・備考2:法定代理人の決定:EU域外の企業の場合は必須

3.「一般安全性とパフォーマンス(GSPR)」の要件に適合

・MDRの「付属書IのGSPR(一般的な安全性とパフォーマンスの要件)」を満たすこと。⇒ANNEX I (GSPR:GENERAL SAFETY AND PERFORMANCE REQUIREMENTS)of MDR (EU) 2017/745 
・この付属書Iは下の1~3章である。:安全性、設計&製造、情報に関する多数の要求事項を満たすこと。

  - 第1章:一般要求事項
  – 第2章:「設計および製造」に関する要求事項
  – 第3章:「機器に付属する情報」に関する要求事項
・機械指令2006/42 / ECの意味の範囲内にある「機械」に該当する機器では、この機械指令の関連要件も、適用される(第1条(12)による)。
・リスクアセスメント(ISO 14971)の実施
・その他(EN 60601シリーズ:製品安全規格適合、EMC、RoHS指令遵守など)

4.臨床評価を実施する
・リスク分類に関係なく、すべての機器は、MDRの技術文書要件の一部として臨床評価を実施する。
5.技術文書を作成する
・製造者は、機器がMDRの技術要件に準拠していることを示す技術文書を作成し、最新の状態に保つ。
・この技術文書は、付属書II(技術文書)およびIII(市販後調査に関する技術文書)に従って、EU適合宣言を作成する前に作成する必要がある。
・製造業者は、所轄官庁、権限のある代表者(該当する場合)、および通知機関(該当する場合)からの要請に、技術文書を即、提出できるようにする。
・次のような付属書IIおよびIIIに記載の全ての関連する内容を要する。
 – 医療機器としての資格の根拠とそれに起因するリスククラス
 – 機器の技術仕様
 – メーカーから提供される情報
 – 前世代の機器および同様の機器への参照
 – 設計および製造情報
 – 一般的な安全性と性能の要件(製品安全規格、EMC規格に適合)
 – 適合性のデモンストレーション
 – ベネフィットリスク分析(付属書Iのセクション1および8)およびリスク管理(付属書Iのセクション3)
 – 前臨床および臨床評価データ
 – 市販後調査手順(PMS)
 – 記
6.安全使用とラベル付けの指示情報を作成
・安全に使用し、潜在的なユーザーのトレーニングと知識を考慮して、機器と製造元および/または認定代理店を識別するために必要な安全性とパフォーマンスの情報を添付する。
・この指示情報には、ラベル、機器パッケージ、および使用説明書の記述が含まれる。
7.出荷前、「メーカーの義務」遵守事項の確認
・第10条に定められている「メーカーの義務」を確実に遵守するために、確認し認識する。
8.EU適合宣言書の作成
・製造業者は、第19条および第52条(7)に従って適合宣言(DoC)を作成する。
・機器を市場に出す国の各国語で書かれている必要がある。
・その他の指令にも準拠:RoHS指令など

9.医療機器のマーキング
・クラス1医療機器の製造業者は、「CEマーク」を貼付する必要がある。
・通知機関による承認が必要なクラス1医療機器の場合、CEマーキングには、関連する通知機関の識別番号を添付する。
・MDR要求の「機器毎のUDI(Unique Device Identification) 番号およびバーコード等」を貼付する。
・電気電子機器はWEEEにも準拠要。「車輪ゴミ箱×」マーク要

10.Eudamed(欧州医療機器データベース)への登録
・機器を市場に出す前に、クラスI医療機器のメーカーはEudamedに機器を登録する。
・製造業者に関するデータを検証した後、所管官庁はEudamedでそれを検証し、製造業者はSRN(単一登録番号)を取得します。
・製造業者は、第29条に基づく義務を履行するために、適合性評価およびEudamedへのアクセスをNBに申請する際に、SRNを使用する。
注:必要に応じて、Eudamedにアクセスしてデータを提供するために、認定代表者および輸入業者もSRNを取得するために登録する必要がある。
メーカーによるEudamedでの機器の登録には以下が含まれる。
 – UDI-DIの割当(基本UDI-DIを使用)
– セクション2.2を除き、付属書VIのパートAのセクション2で参照情報を入力するか、すでに提供されている場合は、Eudamedで確認する。
11.市販後調査システムの開始(計画と報告)
・クラスI医療機器を市場に出した後、製造業者は次のPMS(市販後調査システム)に従う。
 – 市販後調査から得られたレビュー結果:製造業者は、必要な市販後調査システム(PMS)を導入し、MDRの第83条に従ってこのPMSを積極的に最新の状態に保つ。

 – 欠陥:クラス1機器の製造業者は、現場の安全修正措置を報告する必要があり、各国当局に連絡する。
– 不適合製品:製造業者は、適切な修正を行うか、適切な是正措置を講じる必要がある。
12.品質管理システム(QMS)
 - 製造者の義務(第10条)の重要な1つである「MDRの適合を保証する品質管理システム(QMS):ISO13485」を確立し、文書化し、実施し、維持し、最新の状態に保ち、継続的に改善していく。


*MDR クラス分類の例


・医療機器は、リスクに応じて クラス「Ⅰ(a)~Ⅲd)」に分類され、リスクの低い順は下の通り
a)- ①Class I(NB審査なし):滅菌不要- 矯正メガネとフレーム、手動車いすなど
a)- ②
ClassⅠs(NB審査):無菌 – 個人保護キット、滅菌尿バッグ
再使用外科器具):(手術用メス、病院用ベッド、聴診器、車いす、石膏等)
a)- ③ClassⅠm(NB審査):測定機能付き – 聴診器、天秤
a)- ④ClassⅠr(NB審査): 再利用デバイス – 手術用鉗子 (SS/Tit 手術器具のすべてのタイプ
b)- Class IIa(電子血圧計、カテーテル、輸血用機器、注射器、補聴器、電子体温計等)
c)- Class IIb(超音波手術装置、輸液ポンプ、患者モニター、体外型除細動器、レントゲン、コンタクトレンズ、人工呼吸器、非吸収性外科用縫合素材等)、
d)- Class III(人工血管、人工心臓弁、脳外科用止血クリップ、非能動植込型医療機器、吸収性外科用縫合素材等)


*関連URL
・Medical devices : Regulation (EU) 2017/745.


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包装および包装廃棄物指令において、製造者が行うべきことは何か!

包装および包装廃棄物指令(94/62/EEC)は電気電子機器 (EEE) を製造、販売、または流通させる会社、および欧州連合内の消費者に適用されます。
・本指令の目的は、消費者教育を通じて、また回収およびリサイクリングの効果を向上させることによって、包装廃棄物を減少させることです。
例:梱包


*生産者 (製造業者、流通業者、および販売業者) に要求される事項

・包装材中または包装材構成部材(packaging components)に、鉛、カドミウム、水銀、六価クロムの濃度レベルの合計が100ppm(重量比)を超えないこと。
・加盟国によって、規制当局へ登録、回収&リサイクリングスキーム参加などの異なる規制ある。(ドイツ、フランス、イタリア、スウェーデン、スペイン)


*関連URL
・EU、包装および包装廃棄物指令(原文)
 Packaging and packaging waste. 
・パッケージング廃棄物
デザインと廃棄物管理を含む、パッケージとパッケージ廃棄物に関するEU規則
 Packaging waste
EU rules on packaging and packaging waste, including design and waste management.


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英国、UKCAマーキングの完全義務は2023年1月1日まで延期を公表!2021年8月24日

*英国政府は、UKCAマーキングを1年延長し、2023年1月1日までとする旨、2021年8月24日に公表している。
 注意 ↓
*直前で、2025年1月1日に再延長した。
 ・関連記事「UKCAマーキング(英国)が期限直前で再延長!


UKCAマーク
 図1.UKCAマーク:英国(イングランド、ウェールズ、スコットランドの地域で有効)
*内容は以下です。

・CEマーキング取得を必要としていた全ての製品は、2022年12月31日までUKCAマーキングを使用する必要はない。
・企業は、英国の新制度の完全実施に向けて、できるだけ早く準備をすることが望む。
・しかし、企業が移行する時間を確保するため、本ガイダンスの対象となる CE マーキングされた製品で、EU の要求事項を満たしているもの(これらの要求事項が英国の要求事項と一致している場合)は、EU と英国の要求事項が同じであれば、「2022 年 12 月 31 日」まで引き続き、英国市場に投入することができる。
・これの中には、EUの公認通知機関(NB)によって評価された製品も含まる。

・2023年1月1日以降は、英国(GB)市場で製品を販売する際には、UKCAマークを使用する義務がある。
・EU市場から英国(GB)市場に製品を出荷する場合は、新たな輸入者責任を確実に果たすための措置が必要です。
UKCAマーキングの移行延長
 図2.UKCAマークの移行期間の延長


*現在は、下表のごとくになっている。
 表1. 英国の地域における「要求されるマーク」と「移行期間」の状況
英国のUKCAマーク、UKNIマーク、CEマークの関係


*注意:2の北アイルランド(NI)の販売について
・表1のごとく、1の地域とは異なり、「日本の製造者などはCEマーク」になる。UKCAマークは使用できない。
・尚、北アイルランドの事業者は、「UK第三者認証機関が関与する製品の場合」は「CEマーク&UKNIマーク」が必要になる。

 UKNIマーク
図2.英国(北アイルランド)UKNIマーク


・英国は4つの地域で構成されている
英国の4つの地域

図3.英国の4つの地域

*関連URL:
・News story
Businesses given more time to apply new product safety marking
Government confirms businesses will have an extra year to start using the new product safety marking – the UKCA marking.2021/8/24.
・Guidance
Placing manufactured goods on the market in Great Britain.2021/8/24.


*関連記事
英国ではEU離脱によるUKCAマーキングが開始しています!2021年1月1日.

製造者が作成する「EU適合宣言書」はどのようなものか!

*CEマーキング取得においては、製造業者は製品の適合性を表明すため、EU適合宣言書を作成することが義務になっている。
*製造者は市場に出す場合に、「自ら関連する全ての法令に適合している」旨を「自己宣言」する「EU適合宣言書」を作成する。
*「製造者とは」、欧州市場で自社製品を販売する「自社ブランド製造メーカ」、又は、他社が製造した(OEM)製品を販売する「ブランドメーカ(OBL)」も該当する。
・OEMメーカは自社の名前で市場に出さないので、EU適合宣言書は作成しない。この場合はOBLが作成する。

・最終的に、欧州に出荷・販売するメーカがDOC、TD(技術文書)を作成・保管し、その他の「製造者の義務」を果さなけれならない。


・EU適合宣言書に記載すべき項目は各指令(EMC指令、低電圧指令など)の附属書に記載されている。
・従って、この項目毎に、「それぞれの項目の内容」を追記し、作成する。


尚、EUのCEマーキングの下のWEBサイトから、フォーム(Word,PDF)をダウンロードできるので、これを利用すると簡単です。

EU DECLARATION OF CONFORMITY(フォーム)のページ.


・EU適合宣言書の例
EU 適合宣言書の例


*「EU適合宣言書」及び「技術文書」の作成を支援いたします!
・お気軽に「お問合せ」から、ご連絡下さい。


 

RoHS適合は設計・部品選択のステップが最も肝心です!

*RoHS指令において、下図ような流れで、対応します。
1.設計段階、2.部品発注前において、「使用する全部品、アセンブリ、材料などが、RoHS適合であるものを選択すること」が肝心です。
・また、「RoHSの技術文書作成」のため、サプライヤーから、「RoHS適合の証明書などのエビデンスの入手」が必須です。
・選択する際には、「エビデンスの入手可が、購入の条件」です。


RoHS対応の主な流れ
   図.RoHS対応の主な流れ


「RoHS指令の技術文書」の作成をサポートします
・お気軽に「お問合せ」から、ご連絡下さい。


 

MDR技術文書の項目はどのようなものか!

*MDR技術文書の項目は下のようなもの(一例)です。
・膨大な量です。
・事前にどのような項目なのかを確認しておく必要がある。
・①MDR技術文書と②QMS文書(EN ISO 13485)の作成は、NB審査申請までに必須


MDR技術文書の項目(一例)
1. 医療機器の説明と仕様
1.1. 医療機器の一般的な説明、そのバリエーションとその意図された目的
 1.1.1. 製造者の名称と住所
 1.1.2. 医療機器/医療機器グループ/医療機器タイプの概要 例:UDI-DI(該当する場合)を含む、名称とREF番号への参照を記載した表
 1.1.3. 医療機器が上市されているすべての商品名
 1.1.4. 意図された目的、適応症、禁忌、警告、対象となる患者グループ、診断/治療/モニタ リングされる病状を含む機器の説明と仕様
 1.1.5. UMDNS/GMDN 分類(該当する場合)
 1.1.6. 機器の特性、寸法、性能属性など、機器の技術仕様
 1.1.7. 医療機器のバリエーション/コンポーネント/コンフィギュレーションおよび付属品
 1.1.8. 正確なソフトウェアバージョン(該当する場合)
 1.1.9. 新しい特性および新しい意図された目的/適応症の説明
1.2. UDI(実装され次第又は義務付けられ次第)
技術文書がカバーするすべてのバリエーションを考慮した基礎UDI-DIの記述 UDI要求の完全な実装まで、少なくともTDがカバーするすべてのバリエーション(サイズ、形状、コーティングなど)を明確に表現すること。
1.3. 指定/分類
医療機器としての指定の正当性、及び適用される分類規則の正当性、適用されるインデントの正確な識別、分類に関する記述を含む機器の分類の記述。
1.4. 適合宣言書(DoC)
附属書IV MDRまたはMDD(EK-MED-Beschluss 3.9 A4を考慮)に従ったDoC。
初期認証(例:MDR)の場合、DoCはドラフト状態で提出されなければなりません。
1.5. 装置の動作原理と作用機序の説明
該当する場合、主要な機能要素(例:部品/コンポーネント、ソフトウェアを含む処方/構成)の説明を含む、他のコンポーネント/付属品との組み合わせで、第三者が理解できる装置の動作原理とその作用機序の説明。
1.6. 安全性及び臨床性能の概要
Art. 32 MDR (SSCP)に基づく安全性及び臨床性能の概要。32 MDR (SSCP) に基づく安全性及び臨床性能の概要 ? 埋め込み型機器、カスタムメイド又は治験用機器を除くクラス III 機器にのみ必要です。
1.7. 原材料、部品、包装材料
 1.7.1. すべての原材料、部品、包装材の概要(例:部品表) 
 1.7.2. 原材料/コンポーネント/サブアセンブリの仕様(例:技術仕様、特徴、寸法、性能属性) 統合された原材料と身体に直接または間接的に接触する物質を含む医療機器とあらゆるバリエーション/コン フィギュレーションについて。
 1.7.3. 包装材(一次及び二次包装)の仕様
 1.7.4. サプライヤーからの分析証明書、材料証明書、検査証明書(該当する場合)
 1.7.5. 人体に直接または間接的に接触する物質の特定
1.8. 特定物質に関する宣言書
 1.8.1. 医療機器がヒト由来の組織、細胞、またはその派生物を利用して製造されている場合 の正式な記述
 1.8.2. 医療機器が動物由来の組織または細胞、あるいはその派生物を利用して製造される場 合は、正式な声明文。
 1.8.3. 装置が、個別に使用した場合、指令 2001/83/EC の第 1 条の 2 項の意味において医薬品とみなされる可能性がある物質(第 1 条(8)の最初のサブパラグラフで言及されている、ヒト血液又はヒト血漿に由来する医薬品を含む)を一体として組み込んでいる場合の正式な陳述書。
1.9. 前世代及び類似世代
 1.9.1. 製造者が製造した装置の前世代(複数)の概要
 1.9.2. 欧州連合内または国際市場で入手可能な類似世代の装置の概要
1.10. QM-システム(MDD 手順の場合のみ)
QM システムの説明 – 通常、該当する証明書の提出、またはその代わりに QM 文書(品質マニュアル等)の提出によるものです。
– この側面は、MDD に基づく文書にのみ要求されます。
2. ラベリング/使用説明書
2.1 販売を意図する加盟国で受け入れられているすべての言語によるラベル付け(製品、単体包装、販売用包装、特定の管理条件の場合の輸送用包装)。
2.2. 機器の販売を意図する加盟国で通用するすべての言語による使用説明書
3. 設計・製造情報
3.1. 設計の説明
 3.1.1. 適用された設計プロセスの説明、装置の設計に適用された段階(マイルストーンなど)、及びこれらの段階の結果の概要。
 3.1.2. 設計プロセスが実施されたすべての拠点の特定(例:外部委託設計部門、研究拠点など)
3.2. 製造に関する記述
 3.2.1. 製造に関する理解しやすい記述(例:手順書、フローチャート、サンプルバッチプロトコル…)
 3.2.2. すべての製造拠点の住所と製造工程に関する情報
 3.2.3. 特定の工程とそのバリデーションに関する情報(例:コーティング工程、射出成形、はんだ付け、接着、 溶接、凍結乾燥、洗浄など)。
 3.2.4. 特定の製造工程が実施される管理条件に関する情報
3.3. 品質管理に関する記述
受入基準を含む品質管理(受入検査、工程内管理、最終検査)の説明(手順書、フローチャート、試験仕様書、サンプル試験プロトコールなど)。
3.4. 外注工程、外注業者
 3.4.1. 表形式による外部委託工程の概要および委託先企業の名称・所在地
 3.4.2. 外注先の資格を証明するもの(証明書、認定証等)
 3.4.3. 外注生産工程の外注先との品質保証契約書、無菌機器の場合は包装及び/又は滅菌の外注先との品質保証契約書。
4. 一般的な安全性と性能に関する要求事項
4.1. 一般安全性能要件に適合していることの体系的な証拠(チェックリストの形式が望ましい) 以下の項目を含む。
– 要求事項の適用/非適用の正当な理由
– 適用される共通仕様、規格またはその一部への言及(適用される発行日への具体的な言及)。
– 準拠の証拠として管理された文書や記録への言及
– 要求事項が満たされているかどうかの評価
– 責任者による承認(日付、署名)。
4.2. 適用規格及び共通仕様のリスト
適用された問題を含む適用された規格の最新リスト、および該当する場合、規格のどの部分が適用されていないかの表示。(この項目は MDR では 4.1 の一部であるが、指令 93/42/EEC では明示的に要求されている)。
5. 5. ベネフィット・リスク分析およびリスク管理
ライフサイクル全体をカバーする現在のリスクマネジメントファイルから、以下の項目を提出する必要があります。
5.1. リスク管理計画書
5.2. リスク管理策を含むリスク分析
5.3. リスク管理報告書(残存リスク評価、リスク利益率評価含む) 5.3.
6. 製品の検証およびバリデーション
以下の各項目について、試験の概要評価または非該当の旨を記載すること。
参照した試験について、試験報告書を提出すること。
認定または公認の試験所での試験実施は義務ではないが、一般的に適合性の証明を容易にする。
6.1.  生体適合性
患者または使用者と直接または間接的に接触する(可能性のある)すべての構成要素及び材料は、 以下の点を考慮しなければならない。
 6.1.1. 材料の化学的特性評価
 6.1.2. 文献調査
 6.1.3. 実施した生物学的試験の試験報告書
 6.1.4. 完成品に関するすべてのデータ及び試験結果の総括評価
6.2. 物理的、化学的及び微生物学的試験
適用される試験パラメータ(例:原材料及び最終製品の物理的組成、化学的特性及び純度、 最終製品の微生物学的状態等)に関する機器の特性評価及び前臨床適合性の証拠。
 6.2.1. 実施した試験の計画及び概要
 6.2.2. 実施した試験の試験報告書
 6.2.3. データ及び試験結果の評価
 6.3. 電気安全及び電磁両立性 EMC(該当する場合)
 6.3.1. 実施した試験の計画及び概要
 6.3.2. 実施した試験の試験報告書
 6.3.3. データ及び試験結果の評価
6.4. ソフトウェアの検証及び妥当性確認(該当する場合)
 6.4.1. ソフトウェア開発プロセスの記述(例:EN 62304 に基づく) 
 6.4.2. ソフトウェア設計の記述(例:EN 62304、EN 62366に基づく) 
 6.4.3. 完成した機器に使用されるソフトウェアのバリデーション:例えば、a. 実施した検証、バリデーション及びテストの結果の概要(社内またはシミュレートされた、あるいは実際のユーザー環境において)。
6.5. 安定性(保存期間を含む
 6.5.1. 実施した試験の計画及び概要
 6.5.2. 定義された保存期間中にデバイスが定義された仕様を満たしていることの証拠。以下の側面に関する個々の安定性試験及び評価の結果。
 6.5.3. 保存安定性(加速経時変化(例:アレニウス方程式)及び実時間データ) 
 6.5.4. 輸送安定性
 6.5.5. 使用中の安定性
 6.5.6. ライフサイクル全般にわたる保守・点検の考え方
 6.5.7. データ・試験結果の評価
6.6. その他の前臨床試験
6.1 から 6.5 に記載されていないその他の前臨床試験。
 6.6.1. 実施した試験の計画及び概要
 6.6.2. 実施した試験の試験報告書
 6.6.3. データ及び試験結果の評価
6.7. 臨床評価
 6.7.1. 臨床評価(指令 93/42/EEC の場合,できればEDDEV.2.7.1 に従ったもの)著者の資格に関する情報を含む
 6.7.2. レビューされた文献
 6.7.3. 以下を含む、実施された臨床試験の証拠
  - 臨床試験計画書
  - 臨床試験報告書
  - 倫理委員会の議決事項
  - 臨床試験に関する規制当局の承認
  - 臨床試験不実施の正当な理由(クラス III 及び体内埋込型機器)
 6.7.4. 市販後臨床フォローアップ(PMCF)を実施した証拠
6.8. 指令2001/83/ECの意味における医薬品(該当する場合-協議機関の規定に基づく-BfArMの規定に基づく以下の文書)。
 6.8.1. 一般的な情報
 6.8.2. 活性物質の組成の説明。
 6.8.3. 医薬品の含有量の妥当性に関する記述
 6.8.4. 医薬品の製造に関するGMP証明書
 6.8.5. 医薬品に関連する製造工程の説明書
 6.8.6. 活性物質の管理(例:医薬品の品質に関する宣言書) 6.8.7.
 6.8.7. 医薬品に関連する医療機器の工程内管理の記述
 6.8.8. 医療機器の最終品質管理に関する記述(例:同一性、純度、含有量、放出、適合性) 
 6.8.9. 安定性試験(又は 6.5 章に記載された情報への言及)
 6.8.10. 毒性 – 薬理学的/毒性学的プロファイル
 6.8.11. 薬物動態
 6.8.12. 局所適合性
 6.8.13. 臨床的文書化(または6.7章参照)
 6.8.14. ラベル/使用説明書(または第 2 章参照)
6.9. 動物由来の組織又は細胞(該当する場合)
 6.9.1. 動物由来でない代替品と比較した場合の動物由来の材料使用の説明/正当性
 6.9.2. 動物の由来、飼育、給餌、年齢の証拠
 6.9.3. 動物の屠殺と組織の準備・取り扱いの証拠
 6.9.4. 伝染性病原体の低減・除去の証拠となるもの
 6.9.5. 製品に関するトレーサビリティの記述
 6.9.6. EN 22442-1、-2、-3 及び規則 (EU) 722/2012 に適合する証拠。
6.10. 人体への導入が意図される物質(該当する場合)
 6.10.1. 実施した試験の計画及び概要
 6.10.2. 吸収、分布、代謝、排泄のエビデンス
 6.10.3. 対象集団及び関連する病状を考慮した、これらの物質又はその代謝物と他の機器、医薬品又は他の物質との人体における相互作用の試験
 6.10.4. 生体適合性試験 – 特に局所適合性、単回投与毒性、反復投与毒性、遺伝毒性、発がん性、生殖毒性、 発育毒性に関するエビデンス。
6.11. CMR または内分泌かく乱作用(該当する場合)
 6.11.1. 実施した試験の計画及び概要
 6.11.2. 実施した試験の試験報告書
 6.11.3. データ及び試験結果の評価
6.12. 滅菌装置及び滅菌される装置(該当する場合) 6.12.
 6.12.1. 製造又は洗浄及び包装中の環境条件の記述
 6.12.2. 洗浄の説明
 6.12.3. 包装に関する記述
 6.12.4. 滅菌前のバイオバーデン(初期微生物数)(EN ISO 11737-1)
 6.12.5. パイロジェン/エンドトキシン
 6.12.6. 滅菌方法及び滅菌のバリデーションの記述(該当する場合) 
6.13. 測定機能(該当する場合)
 6.13.1. 実施した試験の計画及び概要
 6.13.2. 実施した試験の試験報告書
 6.13.3. データ及び試験結果の評価
6.14. 他の機器との組合せ(該当する場合)
 6.14.1. 実施した試験の計画及び概要
 6.14.2. 実施した試験の試験報告書
 6.14.3. データ及び試験結果の評価
6.15. 機器の衛生的な(再)処理(該当する場合)
 6.15.1. 使用説明書に明記された洗浄・消毒工程のバリデーション
 6.15.2. 使用説明書に指定された滅菌工程のバリデーション
 6.15.3. 指定された再処理サイクルの回数を証明するもの
 6.15.4. 使用説明書に明記されている維持管理及び機能管理の証拠
7. 市販後調査に関する技術文書
7.1. 市販後サーベイランス計画書(PMS-Plan)
7.2. 市販後臨床フォローアップ計画書(PMCF-Plan)
7.3. 第86条に基づく定期的な安全性更新報告書(MDRのみ)
7.4. 第 85 条に基づく市販後調査報告書(MDR のみ)


*関連URL
・Medical devices : Regulation (EU) 2017/745.


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デジタルマルチメータ,オシロスコープなどの感受性の高い計測器のEMC規格は何か!

*デジタルマルチメータ,オシロスコープなどの感受性の高い計測を行う計測器のEMC規格は、IEC 61326-2-1である。


デジタルマルチメータ
・機器の例としては、オシロスコープ、ロジックアナライザ、スペクトラムアナライザ、ネットワークアナライザ、アナログ機器、デジタルマルチメータ(DMM)、ボードテストシステムなどが該当する。

・製造者が使用上・機能上からEMC保護ができない試験・測定回路(機器の内部または外部,あるいはその両方)を有する機器が該当する。
・本規格(IEC 61326-2-1)は,IEC 61326-1(共通規格)より、これらの機器の固有な試験構成,運用条件,および性能基準を規定している。
・EMC指令ではEN 61326-2-1が該当する。


*本規格の個別の要求内容は以下です。


1.  5.2.4.101項: 試験・計測用のI/Oポート
  ①試験および測定用の入力ポートは、製品のエミッションおよびイミュニティ性能の測定に適さない動作状態になる場合を除き、キャップおよびショートしなければならない。
・入力信号が必要な場合は、メーカーが指定するテストリードやプローブを用いて適切な入力信号を印加すること。
・EUT の本質的な機能を評価するために必要とされない試験および測定出力ポートは、キャップおよび/ま たは終端処理されるものとする。
②静電気放電は、シールドされたポートまたはケーブル・コネクタの内部ピンではなく、「ハウジング・シールド に印加すること」とする。
・この静電気試験の例:以下のようなもの。
 BNC、D-subminiature、IEEE 488(IEC 60488)、R8232およびIEEE 1284-B(パラレルプリンタポート)など。
③注1

・試験中に入力信号を試験・計測ポートに印加するために使用しないプローブやテストリードは、接続する必要はない。
(このようなテストリードは、アプリケーションによって大きく異なり、また、カバーが取り外された機器に接続されることが多く、内部のテストポイントにアクセスするために様々な段階で分解されることがあります。接続されたテストリードは、特定の用途において、エミッションを増加させたり、イミュニティを低下させたりする可能性があるため。)
④注2
キャップとは、局所的にスクリーンやシールドで覆うこと。

2. 5.3.101項: 動作条件
・(1)バッテリとAC電源の両方のオプションが利用可能な場合,両方の動作モードに適合すること。

3. 5.3.102項: オシロスコープ
オシロスコープのポートは、最大掃引速度、最大感度、連続取得モードに設定しなければならない。ただし、他のモードでは通常の用途では最悪のエミッションまたはイミュニティの結果となることが知られている場合はこの限りではない。
4. 5.3.103項: ロジックアナライザー
・ロジックアナライザは、エミッション測定時にはデータ解析モードに設定し、イミュニティ試験時には連続データ収集モードに設定しなければならない。
・ただし、他のモードでは通常のアプリケーションにおいて最悪のエミッションまたはイミュニティの結果が得られることが知られている場合はこの限りではない。
5. 5.3.104項: デジタルマルチメータ(DMM)
・代表的な設定としては、ピーク検出、最大感度(通常はオートレンジがあればそれでよい)、連続取得モードなどがある。
6. 5.3.105項: その他の機器
・5.3.102~5.3.104に記載されていない同様な仕様の機器については、以下の理念を適用するものとする。
・機器のすべての機能ではなく、最も典型的な機能のみを試験できることを考慮して、代表的な動作モードを 選択すること。
・通常の使用における推定ワーストケースの動作モードを選択すること。
7. 6.4.101項: 過渡的な電磁現象を伴う試験

・IEC 61326-1 の表 1、2 又は 3 の性能基準 B に割り当てられた過渡的な電磁現象を伴う試験の間、 EUT は機能又は性能の一時的な劣化又は喪失があるかもしれないが、それは自己回復すること。
・10 秒を超える自己回復時間は,製造者がユーザのために機器の文書で規定しなければならない。
・トリガー機能は評価する必要はない。
・実際の動作状態の変化や保存データの損失は許されない。
8. 9.101項:  使用上の注意の追加
・製造業者は,テストリード及び/又はテストプローブを接続した場合,その機器がこの規格のイミュ ニティ要件を満たさない可能性があるという情報を提供し,妨害の影響を最小化するためにテストリード及び/ 又はテストプローブをどのように使用するかの指針を追加しなればならない。


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無線機器指令の共通EMC規格は固定・車両・携帯の用途により、試験項目が異なる!

*無線機器指令の3.1(b)要求されている共通EMC規格「ETSI EN 301 489-1」は、用途により、試験項目が異なる。
・無線機器のEMC試験のテストプラン作成時にチェックしよう。
・以下の表のごとくです。
REDの共通EMC規格(ETSI EN 301 489-1)の用途別試験項目

 

無線機器指令(RED)の必須要求事項は4つである!

*無線機器指令(RED)の必須要求事項の4つは、指令の3条に記載がある。


・下図のように、1.~3.は「全ての無線機器」に要求される、また4.は「特定の無線機器」に対して要求する。
無線機器指令の必須要求事項
図. 無線機器指令(RED)の必須要求事項は4つ


*関連URL
・無線機器指令(原文)は「便利リンク」のページ、「3.(7)RED指令のURL」より、参照できる。


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